連載4.『孤独の留学』

連載完了!

孤独の留学 ー Study Abroad in Solitude.』

海外留学において孤独は敵ではない。
孤独とは武器であり、強みであり、チャンスである。
最強の「味方」を手に入れるための新しい留学指南。

Prologue: 孤独になれば、道は拓ける。

今だから告白するが、私は留学していた頃に「孤立」する経験があった。

アメリカ・ミシシッピ州での留学をスタートさせて1年目のことだった。

そこに至る段階で私は

小・中・高・短大での全ての人脈・交友を断ち切っていた。

否、「断ち切らざるを得なくなった」と言う方が正しい。

LINEの「友だち」からは家族以外の人間はいなくなり、

それまでの全てを絶った状態で一人ミシシッピに渡った。

心の底から人間関係に疲れていた私は、

そこから「逃げる」という後ろ向きな気持ちのもとで孤立状態になっていた。

一人で寂しいな…

当時の私は一点の曇りもなくそう思い込んでいた。

「様々な人との交流」が一大メリットとして挙げられる海外留学なら尚更だった。

 

だがその年の暮れの一時帰国中、文字通り私の運命を変える出来事に出会った。

都内のとある大型書店だった。

出会ったのは人ではなく、一冊の本だった。

それが千田琢哉さんの『孤独になれば、道は拓ける。』だった。

誠に恥ずかしいことだが、それまでの私はろくに本を読んでいなかった。

どうしてその時書店に行く気分になったのかは覚えていない。

だが、その本の背表紙を見た時に私は確信したのだ。

「あ、これは私のために書かれた本だ」

無心でその本を手に取り、無心でページをめくった。

最初のページにはこう書かれていた。

『人間の本能として、孤独になると寂しさを感じるには違いないが、
人と群れる時の苦痛と比べれば、限りなくゼロに近い。
群れることによって得られる悦びと比べると、孤独から得られる悦びは無限大だ。

 

現代では、留学における孤独を「避けるべきもの」と思っている人が大半だ。

それは私自身が留学時代の前半に交流してきた同級生からも直接聞いてきたし、

ネットで「留学 孤独」と検索してみればよく分かる。

だが、あの書店で私の頭に電撃が走った。

私は一点の曇りもなく、こう確信した。

孤独とは武器であり、強みであり、チャンスである

それから留学生活後半を終えて卒業し、今は日本で暮らす私だが

あの時の確信は確かに正しかった。

「孤独である」という事実が、私を導いてくれたのだ。

あなたは色々な悩みを抱えてこの文を読んでくれているのだろう。

または「そんなことあり得ない」と思っているかもしれない。

そんなあなたにお伝えしたいのは、

留学において孤独とは避けるものではなく、歓迎するものだということだ。

この連載ではその秘密について一つずつ解き明かしていきたい。

 

2022年1月吉日 透佳(スミカ)

 

目次 Content

Chapter 1: 孤独になると自信がつく – Confidence

1. 自信をつける方法は簡単だ。一人で行動すればいい。
2. 留学生活は、放っておくと必ず群れるようになっている。
3. 学生同士でいくら喋っていても、生産性はない。
4. クラブや団体に属しても、あなたも一緒に強くなったわけではない。
5. 群れて行動する限り、あなた自身の成長は望めない。
6. あなたの自信が下がるのは、自信を下げてくる人と群れているから。
7. 群れると最後は孤立する。一人になると最後は飛躍する。
8. 根拠のある自信は脆い。根拠のない自信は最強。

Chapter 2: 孤独になると英語力がつく – English

9. 誰の助けも借りられない状況でこそ、会話力は最も伸びる。
10. 英語学習の9割は、自習。
11. 誰か他人の学習法が、あなたにも合うとは限らない。
12. 孤独に単語の勉強ができない留学生は、落第する。
13. DeepL翻訳の力は、「一人でできること」を大きく押し広げた。
14. 海外留学とは長文読解であり、長文読解とは英文法である。
15. 会話力は話して伸ばすものではなく、暗記で伸ばすもの。
16. 良い英作文の第一歩は、自分の頭で客観的に考えること。

Chapter 3: 孤独になると学びが深まる – Learning

17. 集まると喋ってしまうからこそ、一人になれる学習環境を作る。
18. 海外留学の集大成は議論。議論するために一人になれ。
19. 一人で授業に臨むと、大事なことを聞き逃さなくなる。
20. 孤独になると、教授やスタッフに贔屓される。
21. 長い目で見れば、勉強は一人で始めた方が続く。
22. 孤独になると、チャンスを与えてもらいやすくなる。
23. 専攻選びは迷っていいが、最後は絶対に一人で決める。
24. 自分にとって最強の自習場所を確保すれば、留学は勝ち。

Chapter 4: 孤独になると文化が分かる – Culture

25. 文化を一番手っ取り早く理解する方法は、現地のサービス業とサシで話すこと。
26. ネットでは分からない情報を得たいなら、一対一で異文化交流する。
27. 群れて騒いでいると、学べる文化の質量が下がる。
28. ボランティア・インターンは一人で参加した方が、新しい発見が増える。
29. どうせ現地のレストランに入るなら、一人に限る。
30. 車は持つべき。一人での対処能力が身につくから。
31. 孤独になると、カルチャーショックを味わい尽くせる。
32. 孤独になると、「日本代表」になれる。

Chapter 5: 孤独になると友人が変わる – Friend

33. どうでもいいヤツと群れた瞬間、一切の成長が止まる。
34. せっかく留学しているのに、毎日のように日本と電話するな。
35. 海外留学は友達を作りにいくための場所ではない。
36. 紹介されようが、ご縁があろうが、合わない人は一生合わない。
37. 群れているとそれだけでモテないが、孤独でいるとそれだけでモテる。
38. 現地の「日本人会」に頼りすぎると、バイタリティが大きく下がる。
39. 人脈・コネはチートアイテムではない。アメリカはそこまで甘くない。
40. 孤高に生きると、別に孤高に生きる人と巡り会う。

Chapter 6: 孤独になると就活で勝てる – Jobhunting

41. まず孤独にならなければ、正確な自己分析はできない。
42. 孤独になると、「これしかない」という仕事に出会える。
43. 他人と戦うヤツは落ちる。自分と戦うヤツが受かる。
44. 企業の採用活動をSNSで流すと、要注意人物と見なされて落ちる。
45. 同じ大学同士で群れていると、一人一人を評価してもらえなくなる。
46. 「Reference」は自分から頼むものではなく、声をかけてもらうもの。
47. 群れる就活生は、いざという時に隣を見て逃げる。
48. 作文問題は、どんなテーマを出されようが同じ文章を書く。

Chapter 7: 孤独になると生活が変わる – Lifestyle

49. 学生寮の一人部屋に入っておくと、自立心が芽生える上にストレスフリー。
50. 孤独になると、自由時間が倍増する。
51. 一人にならないと寝られない人は、何としてでもその環境を確保する。
52. 孤独になると、本当に自分が食べたいものを食べられるようになる。
53. 孤独になると、身の回りのことを自分でやるようになる。
54. 孤独になると、買い物で浪費しなくなる。
55. 孤独になると、無性に本が読みたくなる。
56. スタバは一人で行くと最高の勉強場所になる。

Chapter 8: 孤独になると道が拓ける – Future

57. 「〜だから」ではなく、「〜なのに」で留学先を決める。
58. 日本人なんていない方が、留学は楽しめる。
59. 優秀なヤツは、揃いも揃ってパーティー嫌いだった。
60. 孤独になると、出会ってくれる人に感謝できるようになる。
61. これまでの人脈を全てぶった斬るぐらい、留学ならどうってことない。
62. 孤独に没頭して、声をかける側ではなく声をかけられる側になる。
63. 「孤立」から「孤独」になった瞬間、全ての流れが変わった。
64. ハワイですれ違ったあの女子大生が、一番孤高の存在だった。

※ 目次はこれにて一旦最終・最新版です。
筆者の公式Noteにも同時掲載を行いました。

 

プロフィール Profile

透佳(スミカ)

ライター。
神奈川県川崎市出身。
米・南ミシシッピ大学(University of Southern Mississippi, 通称USM)教養学部教養学科卒。

アメリカでの4年間の海外留学の後日本に帰国。
英会話スクールスタッフ、都内学習塾英語講師を経て現在は静養中。
学習塾では小中学生向けに集団授業・個別指導含め一教室の全ての英語科の授業を担った。

これまでの従事に加え2016年より個人運営しているブログ『Ms. Grumble』を通じ、
『全ての日本人の英語力を、「自分より高い水準」にアップさせること』というミッションの元
英語学習や海外留学を中心に数多くの対話・指導、また執筆を重ねている。

著作にメイン執筆として携わった『3択!イメトレ英会話』(オープンゲート)、
連載『最高の留学のつくり方』『親御さんには絶対に教えない学習塾のホンネ』
『透佳ノート – 英語嫌いのための中学英文法』がある。

TOEIC L&R 925点・英検準1級取得。

 

追伸 From the Writer

今回初めて告白するが、
私の大学の卒業論文のテーマ候補の一つに「孤独論」があった。

もしあのまま放っておいたら、私は何万・何十万文字もかけて
孤独のありがたさについて熱く語っていた可能性があったのだ。

今回はそんな「幻の卒業論文」のつもりで綴っていこうと思う。

 

…筆者、透佳(スミカ)

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