連載2.『親御さんには絶対に教えない学習塾のホンネ』

『親御さんには絶対に教えない学習塾のホンネ ー Honest Reality from Cram School You Have Never Known.』

学習塾の、タブーに挑め。
塾を正しく使えない子は、全員「カモ」だ。
ブログ『Ms. Grumble』5周年記念連載。

Prologue: 塾に通っている「だけ」の子は、一番のカモ。

以前、某大手通信教育に携わっていた人からこのような話を聞いたことがある。

『あんなの、「受講しているだけで何もしないサボり」が一定数以上いないと成立しないビジネスですからね。
受講する人が全員ちゃんと課題こなして、コメントも書いて、毎週ちゃんと郵送して…なんてやってたら絶対に人手が足らない』

あなたはこれを読んで

「そうやって客をないがしろにしているのか!」

と怒っている場合ではない。

教育業界は、大なり小なりどこもこうである

という事実をお伝えしたいのだ。

私はこれまで、英会話教室と学習塾の2つを経験してきたが

「払った料金分、いやそれ以上を取り戻そうとする生徒」というのはかなりの割合で迷惑がられていた。

レッスン・授業外も熱心に質問してくる生徒。

「一日○回まで」の「○回」を毎日きっちり消化しようとする生徒。

教材やプリントなど、頼めば貰えるものはガンガン頼んで使い倒す生徒。

学習効果を追求すればこれらは学習態度として間違いない。

教室側も生徒の学力アップを大義名分としている以上、断るわけにもいかない。

だがご存知の通り、教育業界は人手不足である。

通年採用していても、まともな頭数は中々揃わないのが現状だ。

そこで運営側(つまりは上層部)というのは、最初から

全員が全員使い倒すわけではない・お金を払ってくれる「だけ」の人もいる

という計算でサービスの内容を練る。

より率直に申し上げると、

一定数の「カモ」がいる前提でサービスが作られているのだ。

「カモ」が在籍することで浮いた分の時間は、

そのまま一生懸命学ぼうとする生徒に全て回される。

「カモ」が何もせずに払ってくれた受講料は、

そのまま一生懸命学ぼうとする生徒担当の人件費に回される。

その上で全生徒は一律料金とした上で

「ここに入れば話せますよ」「成績がアップしますよ」

とやっているのがありのままの現実なのだ。

繰り返すが、これを読んであなたは憤慨している場合ではない。

どうせ同じお金を払うのなら、とことん使い倒してやろうではないか。

その結果「カモ」が減り、運営側が苦しくなろうとも

それは最初からカモ前提で考えている運営側の責任なのだ。

この連載には、こういった類の

「絶対に親御さんには教えない学習塾のタブー」を全て詰め込んだ。

私のライター人生を賭けて、ありのままの真実をお伝えするつもりだ。

もちろん、次に「取り返す」のはあなたの番である。

 

2021年11月吉日 透佳(スミカ)

 

目次 Content

Chapter 1: 塾のホンネ(Reality)

1. 皆勤賞に価値はない。
2. 塾は勉強の保証はできるが、やる気の保証は一切できない。
3. ノートへの板書写しに学習効果はない。
4. 現時点で勉強できない子が、マイペースなどと言ってはいけない。
5. 志望校は肩書ではない。それ自体に価値はない。
6. 切磋琢磨というのは、無責任な大人の理想論である。
7. 5段階評価で1の子に、学習塾は合わない。
8. 理想の講師はいない。相対的にマシな講師を探せ。
9. 学習塾は入れるのならさっさと入れた方がいい。

Chapter 2: 塾の選び方(Selection)

10. 塾選びは、ギャンブル。
11. 体験授業で学習塾を選んではいけない。
12. トップとビリは個別指導。中間層は集団授業。
13. 個別指導は母性。集団授業は父性。
14. テスト対策をちゃんとしている塾は、本物。
15. 新規の生徒獲得を最優先する塾は、避けるべし。
16. 自力で解けないレベルの宿題を出す塾は、避けるべし。
17. 英語を教えているからといって、英語が専門とは限らない。
18. 「大手はダメですよ」と言う塾は信用しない。

Chapter 3: 塾の学び方(Learning)

19. 真面目な子ほど、真面目に逃げてはいけない。
20. 子供自ら、不純な動機で塾に行きたくなるよう仕向ける。
21. 塾の問題は、間違えるためにある。
22. 成績はスピードに比例する。スピードは正確さに比例する。
23. 成績を伸ばす子と、体調管理ができる子は同じ。
24. 数学の「検算」は、全教科のケアレスミス対策に使える。
25. 憧れでもいいから、志望校を持つのは早い方がいい。
26. 偏差値を上げるには、穴場の時期を狙うこと。
27. 宿題の答えを写すと、底なし沼で成績が下がっていく。

Chapter 4: 塾の使い方(Technique)

28. 面談は全部対面で出ろ。対応が良くなるから。
29. 宿題をサボってはいけない。対応が悪くなるから。
30. 何もない日に、こちら側から塾に電話をかけると対応が良くなる。
31. 履修科目数を増やすと、対応が悪くなる。
32. 追加料金なしで貰える演習プリントをフル活用する。
33. 自習ブースを使わない生徒は、毎月数万円ソンしている。
34. 講師にはどんどん質問をぶつけろ。追加請求されないのだから。
35. 通塾と同時に映像授業も活用すると、成長速度が倍になる。
36. 塾に「通うこと」に満足し始めたら、ご臨終。

Chapter 5: 塾の仕組み(System)

37. 直截簡明に言おう。現場の講師は使い捨てである。
38. 低料金ということは、現場が死んでいるということ。
39. 塾のホームページなんて、現場の講師は読んでいない。
40. 対面授業がなくならないのは、誰かの目がないと勉強しないから。
41. 教科書は分かりづらくて当たり前。だからプリント授業になる。
42. カリキュラムの「オーダーメイド」は、99%がパターンオーダー。
43. 塾を「最高の環境」にすると、成績が伸びなくなる。
44. 講習はドル箱。だからこそ塾の本音が最も強く露呈する。
45. 合格実績を信用するな。いくらでも化粧できるから。

Chapter 6: 塾の教え方(Teaching)

46. 授業が上手いのは当たり前。上手いだけの講師は消える。
47. 生徒を優等生・天才・問題児・プロスペクトの4タイプに分ける。
48. 学習指導の最終目標は、生徒から手を放すこと。
49. 上のレベルしか教えられないというのは、何もしていないのと同じ。
50. ワイシャツは下着の延長。だからジャケットを脱いで教えるのは論外。
51. 授業は延長するな。サービス残業かつ逆効果だから。
52. 授業で吐き出すために、授業外で徹底的にインプットせよ。
53. 講師が生徒の合格実績を誇るな。その実績は生徒の実績だから。
54. リアル塾はネット動画に既に負けている。だからこそ土俵をずらせ。

Chapter 7: 塾と英語(English)

55. 高校入試は、英語で決まる。
56. 中学英語の締切は中1だ。中2ではもう遅い。
57. 英語が苦手なのではない。単に勉強していないのだ。
58. 英単語が覚えられないのは、勉強方法が根本的に間違っているから。
59. リスニングが苦手なのは、発音の勉強をしていないから。
60. 英文読解とは、結局のところ単語と文法である。
61. スピーキング対策の要は、イントネーション。
62. ただ先取り学習をするだけでは、後からごぼう抜きされる。
63. 英語を勉強するのは、英語を得点源にするため。

※目次はこれにて一旦最終・最新版です。
また、今回は筆者の公式Noteにも同時掲載を行なった上、
「note創作大賞(#創作大賞2022)」に応募予定です。

 

プロフィール Profile

透佳(スミカ)

ライター。
神奈川県川崎市出身。
米・南ミシシッピ大学(University of Southern Mississippi, 通称USM)教養学部教養学科卒。

アメリカでの4年間の海外留学の後日本に帰国。
英会話スクールスタッフ、都内学習塾英語講師を経て現在は静養中。
学習塾では小中学生向けに集団授業・個別指導含め一教室の全ての英語科の授業を担った。

これまでの従事に加え2016年より個人運営しているブログ『Ms. Grumble』を通じ、
『全ての日本人の英語力を、「自分より高い水準」にアップさせること』というミッションの元
英語学習や海外留学を中心に数多くの対話・指導、また執筆を重ねている。

著作にメイン執筆として携わった『3択!イメトレ英会話』(オープンゲート)がある。

TOEIC L&R 925点・英検準1級取得。

 

追伸:From the Writer

お待たせしました。

『Ms. Grumble』連載第2弾は、いよいよビジネスがテーマです。

ミシシッピから帰国してから2年以上が経ちました。

社会人として2年間、私の目には何が映ってきたのか。

それをありのまま綴った初の文章です。

消されないうちにお読みくださいませ(笑)。

 

…筆者、透佳(スミカ)

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