Selection:「大手はダメですよ」と言う塾は信用しない。

親御さんには絶対に教えない学習塾のホンネ

学習塾にも大手と零細がある。

学習塾マニアというほどでは決してないような人が

名前を聞いて「ああ、あの〇〇ね」となるような塾は立派な大手だ。

かつ駅前の一等地に校舎を構えていたりすれば超・大手である。

それとは逆に、名前は有名ではないし立地も決して良くはないが

「地域密着」「大手には真似できない」

といった言葉を掲げているような個人塾・小規模の塾もある。

「大手塾と小さな塾って、結局どっちが良いんですか?」

大手には大手の良さがあって、小規模には小規模の良さがある…

という綺麗事は一切抜きにしよう。

迷っているのであれば大手一択である。

あくまでも「迷っているのであれば」ということであり

迷わず小さな塾を選ぶ理由があるのならそれでいいが、

そう確信する理由がない限りは大手の圧勝だ。

なんといっても「当たり」の講師や授業を引く確率が段違いに高いだからだ。

(個別指導塾の場合は講師がアルバイトの大学生の場合もあるから、

以下の話は集団授業塾の話だと思って読み進めていただきたい)

これは塾の採用ホームページや求人サイトを見れば一発で分かるし

私自身も塾講師として勤める際に転職活動をしたからよく分かるのだが、

概して大手塾の方が講師の採用基準は厳しい。

複数教科を問題なく担当できるだけの「今現在」の学力と

様々なビジネス能力を持ち合わせていなければまず通らない。

(「一教科しかできない」という人は

その一教科が英検1級レベルで尖っていない限りはまず落ちる)

その上、大手塾は新入社員にはみっちり研修を課して

先輩講師からのゴーサインが出なければ絶対に教壇には立たせない。

選りすぐりの講師を採用し、その上研修でみっちり鍛え上げるのだから

大手塾にはちゃんとした一人前の講師が集う。

では小さな塾はそうではないのかと言われれば、その通りである。

個人塾・小規模塾は一年を通じて慢性的な人手不足だ。

今すぐにでも戦力が欲しい。

だが、ただでさえ大手塾に応募する人の方が絶対数で言えば多いのに

その上採用基準までキツく設定していたらまず誰も入ってこない。

その結果、大手と比べるとどうしても採用基準は落ちる。

  • 一教科しかできない
  • ビジネス能力に少し課題がある
  • 業界未経験

こういった人が大手の採用面接を突破するのはかなり厳しいが、

個人塾・小規模な塾であれば

「質はともかくとしてまずは人数がいないと始まらない」

ということで通る可能性が出てくる。

人手不足だから、悠長に研修などやっている場合ではなく

最低限のマニュアルや授業の進め方などを教えたら

即授業に入れてしまうことが多いのも個人塾・小規模塾だ。

(私が直接知っている例だと入社一週目で授業を持ち始めた講師がいる)

これだけでも、大手塾と小さな塾の間には大きな違いがある。

そしてさらにもう一つ大きな違いがある。

講師一人当たりの業務の質と量である。

数学どころか算数の問題だから誰でも絶対に理解できると思うが、

大手塾は毎年何十人・多いと何百人単位で採用を行うところもある。

それに対して小さな塾は、どんなに多くても一年で二桁がせいぜいだ。

この結果何が起こるかと言えば、

大手塾は業務をより多くの人で担当・分散させることができるのに対し、

個人塾・小規模塾は一人が担当しなければならない業務の範囲が広くなる。

「一人あたりの裁量が大きい」と言えば聞こえはいいが、

それはつまり

大手塾の講師は基本一つの業務・責務に専念できるのに対し、

個人塾・小規模塾の講師は様々な業務を同時並行で進めなければならない

ということになる。

一切の綺麗事を抜きにして話せば、

採用基準が低い上に、様々な業務に忙殺されるのが個人塾・小規模塾なのだ。

確率論で言えば、どちらの講師の方がより質の良い授業ができるかと言えば

もうハッキリと言うまでもなく明白だろう。

もちろん中にはそれら全てを完璧にこなして

かつ大手にも引けをとらない授業ができる講師もいるだろうが、

割合・確率で言えば大手の圧勝であるという事実がお分かりいただけるだろうか。

もし個人塾や小規模塾が

「大手はダメですよ」

「小さな塾には小さな塾の強みがある」

といったことを言い出したら、

それらはこれらの事実から目を背けている可能性が極めて高い。

それよりも、

「大手は立派です。ですがウチにはこういうことができます」

「大手には敵いません。ですからウチはこうやって生き残っています」

と素直に話してくれる塾の方が遥かに信用できる。

個人塾・小規模塾を検討する際には、

「大手塾と迷っていて…」という話は必ずしよう。

 

…筆者、透佳(スミカ)

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