Learning:塾の問題は、間違えるためにある。

親御さんには絶対に教えない学習塾のホンネ

特に最近の子に多い傾向として、

間違っている答え・解けなかった問題を隠蔽しようとすることがある。

目の前の問題が分からないということを、

まるでこの世の終わりかのような表情をして教えてくれる子も少なくなかった。

もちろんこれには、

「どうして分からないんだよ!」

と血圧を上げて怒鳴ってしまう三流塾講師の責任もある。

だが、塾での学習効果を最大化するためには

間違った問題や分からなかった問題は素直に申告してくれた方がありがたい。

むしろ、間違えれば間違えただけ学びになると言っても過言ではない。

当たり前だが、勉強の成績を伸ばすためには

以前は解けなかった問題を解けるようになる必要がある。

その為にまず最初に必要な作業は、

「何が解けないか」というのを全て炙り出すことなのだ。

単語テストが解けないのか。

空欄を埋める問題が解けないのか。

一つの文章にする並び替えか解けないのか。

「何が解けないか」さえ分かってしまえば、

その原因の分析や解決方法に関しては塾講師はプロである。

(換言すれば、その生徒の答案を一瞥して

間違いの傾向や原因を分析できない塾講師はプロではない)

例えば、英単語のスペルが書けない子がいたら

その子は普段スペルを書いて覚える練習をしていなかったり、

書いていたとしても

「何も見ずに書く練習」はしていないのかもしれない。

例えば、空欄を埋める問題が苦手な子がいたら

その子は覚えるべき熟語を覚えていなかったり、

「動詞の次だから目的語が来る」

といった基礎のルールを覚えていなかったりするのかもしれない。

例えば、文章並び替え問題が苦手な子がいたら

その子は「主語+動詞+α」というルールをちゃんと使えていなかったり

または疑問文・否定文であることを見落としているのかもしれない。

このように、「何が解けないか」さえ分かれば打ち手はいくらでもあるのだが

それを隠されたりごまかされたりしてしまうと手の打ちようがなくなるのだ。

私は塾講師として一度、

「生徒はなぜ間違いを隠したりごまかしたりするのか」

について真剣に考えたり、生徒と話し合ったりしたことがある。

答えはシンプルだった。

「間違えることは恥ずかしいし責められる」

という考えがすっかり浸透してしまっているのだ。

つまりこれは教える側の責任も相当にある。

この事実をもとに、私は親御さんとの面談や電話では

以下のように話すようにしてきた。

「間違えるのは全くもって大丈夫です。むしろ間違えるために塾があります」

「間違えてさえくれれば、私どもはいくらでも手の打ちようがあります」

「間違えたことでお子さんを責めるのは絶対に止めてください。責めるなら私どもを責めてください」

上記の分析と併せてこれらのことを真剣に伝えれば、

親御さんの方もしっかり理解してくれた。

放送禁止レベルギリギリの真実を申し上げると、

自らが学生の頃勉強に苦労してできるようになったような

努力家タイプの親御さんはすぐに理解してくれた。

「なぜ分からないのかが分からない」という天才タイプだった親御さん、

または勉強というものが根本的に分かっていなく

「この人が学生の頃はまるでダメだっただろうな…」という親御さんは

私の言っていることの意味が理解できずに

相変わらず子供を「どうして間違えたの!」と責め続けて

その度に子供は「間違い=ダメ」という価値観を植え付けられ続けた。

そして今日もその子供は間違いを隠蔽し続けるから、

いつまでたっても根本的治療ができない。

こればかりは、家庭の問題である。

 

…筆者、透佳(スミカ)

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