Lifestyle:孤独になると、本当に自分が食べたいものを食べられるようになる。

孤独の留学

現地のレストランは一人で巡った方が楽しめるという話を先ほどした。

同じ体験でもより多くのことを感じ、学ぶことができるというのももちろんだが

一番大きなメリットは100%自分の好きなものが食べられるということだ。

では群れていると好きなものが食べられないのかと言えば、その通りである。

例えば集団でレストランに行く場合、まず注文で気を遣う。

他の人がいるのに何分もメニューを独り占めしてウンウン唸っていては

他の人の時間を奪って迷惑になってしまうからだ。

稀にそういうことに無頓着なドンマイ君・ドンマイちゃんもいるが、

基本はできるだけサッと決めてしまおうと考える。

自分が好きそうだから選ぶわけではなく、

パッと目についた分かりやすいもので注文を済ませてしまう。

また、大皿の一品料理を頼む場合

自分だけでなく、他の人が食べられるかどうか・苦手な人はいないかどうかも考慮しなければならない。

その場で一人だけ食べられない人がいると申し訳なく感じてしまう。

そこで個人の好みは一旦置いておき、つい無難なメニューを選んでしまう。

好みの分かれるモツ煮ではなく、無難な唐揚げを選択してしまう。

だがこれが一人なら、一切の遠慮はいらない。

メニューを独り占めしてウンウン唸ろうが自由だし、

「他の人が食べられるか…」なんて心配も無用だ。

自分が食べたいものだけをじっくり吟味して、自分の思うがままに注文できる。

これはレストランだけではなく、大学のカフェテリア(食堂)に行く場合も同じだ。

カフェテリアに行くと、人気のものは並ばなければならないことがある。

全てがセットメニューになっていて

並ぶ列が一箇所しかない場合は並んでも仕方ないが、

私の母校のようにブッフェ形式・アラカルトに好きなものを選ぶことができる所では

人気で並んでいるようなところはつい敬遠してしまう。

一緒に行動している人がいるなら尚更だ。

他の人はもうとっくに食べ物を取り終わって食べる準備ができているのに

私一人がチンタラ並んで待っているというのは申し訳ないからだ。

「すぐに取れるもので済まそう」という気持ちが無意識に発生してしまう。

だがこれが一人なら、一切の気遣いはいらない。

他に巻き込んでいる人もいないから、自分一人のためだけにじっくり吟味できるし

行列の中にあえて飛び込んでいくのも自由だ。

こういう文章を読んで

「いいえ!私は会食でも結構自分の好きなものを食べてきました」

という人が登場するかもしれないからそれに対して言わせてもらうと、

そういう人はこれまで周りの人に遠慮・気遣いしてもらっていた可能性が極めて高い。

周りの人が優しかったのだ。

大人数でレストランや居酒屋に行くと、

自分の好みは一旦置いといて真っ先に周りに好きな飲み物・食べ物を聞いて

サッと注文してくれる人がいる。

取り皿やお箸・おしぼりなどもさりげなく全員の前にセットしてくれる。

私はこういう人を見るたびに、

「ありがたい」と感じるのはもちろんだが

それと同時に「この人個人はあまり好きな飲食ができないんだろうな」と感じてしまう。

そして実際にその通りになる。

気遣いをしてもらって、自分の好きに飲食ができる人。

気遣いをして、周りに好きに飲食してもらう人。

団体での飲食はこの2タイプにはっきりと分かれるのだ。

若干話題がそれたが、

「集団で食事をするとつい気を遣ってしまう」という人ほど一人での食事はおすすめだ。

誰にも気を遣わなくて済む食事は、こんなにも素晴らしいということが分かる。

それは海外留学とて例外ではないということだ。

 

…筆者、透佳(スミカ)

『孤独の留学』特設ページ(目次)はこちらから

コメント

タイトルとURLをコピーしました