どうも、こんにちは透佳(スミカ)です。
今回のテーマは、『予習』。
「アメリカの大学は授業がとても大変だ」
という事実は、よくご存じのことでしょう。
そんな大変なアメリカの大学において
留学生が生き残るためには
その前の準備・・・つまり予習が欠かせません。
この記事では、アメリカ留学4年目を送る筆者が
留学生にとっての予習とは
というテーマでの心得を10ヶ条まとめました。
将来に留学を考えているよ!という皆さんも、
今留学をしているよ!頑張っているよ!という方も
この記事を通して予習の大切さと強みに
気が付いていただければ、筆者として幸いです。
それでは、どうぞ。
① 予習とは、「前提」である。
留学生にとって、予習とは「義務」です。
自由に行使できる「権利」、ではありません。
当然ですが、アメリカの大学の授業は
アメリカの生徒に向けて作られています。
つまり。
- 言語も。
- 文化も。
- 歴史も。
- 性格も。
これら全てがネイティブとは異なる留学生は、
いわゆる「アメリカの大学生」に
自身を予めアメリカナイズしなければなりません。
もちろん、アメリカという国は
それぞれの人が持つ文化や背景を否定しません。
各人毎の意見やユニークさを主張し、また尊敬される事は
この国の教育システムの大きな利点です。
ですが、それはなにも
「ありのままの自分で授業が受けられる」
という意味では決してありません。
詳しくは以下の項目で解説していますが、
日本の大学で授業内でするような事、
例えば教科書に触れたり概要を確認したり
…といったこれらの内の多くを、
アメリカの授業は「既にやってきている前提」で扱います。
そしてアメリカの授業が面白いのが、
授業の質量やスピードは
一番デキる人・意見を言える人に合わせます。
「予習はしたほうがいいよ!」と言うつもりはありません。
「しなきゃ単位取れないよ」です。
② 予習とは、「予備知識」である。
これは、「予習とは何か」に対する大きな解答です。
大学の授業に限った話ではありませんが、
何か専門的・学問的な内容を話す際に
「その分野の事を予め知っている」のと
「全く知らない」のとでは非常に大きな差が出ます。
「分からないから今こうやって授業を取るんだよ」
なんて声が聞こえてきそうですが、
ここで話しているのはそういう意味ではありません。
何かについて話をする際には、
予め基本情報をおさえておいた方が
その後の話がスムーズに進みます。
例えば、あなたが経済学の授業を履修するとして。
- 基本的な経済用語
- 経済界で有名な人やその理由
- 今現在のイベントやトレンド
これらについて予め勉強しておけば、
国によって文化の違いはあれど
世界的に共通である事実や仕組みについては
予め分かっている・納得している状態で授業に臨めます。
この様に、予備知識というものには国境がありません。
最悪、目の前で起きている事が分からなくても
「今は○○について扱っているんだな」ということが
予め分かっていれば、話の本質は見失いません。
ここで気を付けておきたいのが、
留学生としての「予備知識の違い」です。
例えば日本の歴史に詳しい日本人はいても、
アメリカの歴史に詳しい日本人は多くありません。
日本の文学に詳しい日本人はいても、
アメリカの文学に詳しい日本人は多くありません。
日本の政治に詳しい日本人はいても、
アメリカの政治に詳しい日本人は多くありません。
日本のビジネスに詳しい日本人はいても、
アメリカのビジネスに詳しい日本人は多くありません。
言語・文化・歴史・そして単に興味…
ここに、留学生としての「壁」があります。
③ 予習とは、「語彙」である。
さて、実際に授業前の予習をするとして
留学生がまず第一に考えなければならないのが、語彙。
まあこれは言語に関係なく共通なのですが、
「分からない言葉がある」という事実は
それだけで勉強の理解や吸収を妨げます。
授業に生徒として出る以上は
その分野の事を勉強する・詳しくなる事が目的ですが
「この言葉の意味が分からない!」のでは
授業を理解するどころではなくなってしまいます。
なので、予習の初心者ないし
授業までに時間がないという留学生は
とりあえず教科書やスライド等にまとめられた
「Key Term」だけでも事前に知っておけば、
それだけでも理解度には大きな差が出ます。
分からない言葉が出てきたら、
すぐにその場で辞書を引くクセを付けましょう。
そして、大学レベルの学問である手前
日本語に訳してもよく分からないなんて事もあるので、
それも予め調べておくように。
「理解できない」を授業に持ち込む分には平気ですが、
「分からない」は問題があるので消しておきましょう。
④ 予習とは、「プレリード」である。
プレリード、つまりはテキストの流し読みです。
おいおいここで初めて教科書が出てきたよ、
しかもちゃんと読まないのかい…
なんてことを思う方も居るかもしれませんが、
ハッキリ言って留学はそんなに甘くはありません。
まずは英語である事が挙げられますし、
それに加えてアメリカの大学教授は
何十ページも平気で宿題で読ませるような人も
非常に多いという事実も、忘れてはいけません。
筆者自身の例で言うと、
アメリカ留学2年目・まだ語学学校から抜けたばかり…
といういわばルーキーだった筆者に
宿題として50~60ページの教科書読みを
毎週末のように出してきた講師が居てですね。
そのリーディング「だけ」で、土曜日が消えていました。
まあ、当時は読む技術もない上に
全部が全部読もうと思ってしまった手前
こんなハメになったのですが。
そしてアメリカ留学においては
複数の授業からリーディングの宿題が降ってくるという
災難も結構な頻度で発生してしまうため、
より速いスピードで読む技術が必須となります。
この「プレリード」、詳しくは別記事にまとめていますが
- 全部読まない。段落の最初と最後の文章だけでもいい
- その代わり、読みながらノートをとる
- その上で、要点や用語をまとめたり調べたりする
最初の内は、この読み方で大丈夫です。
「最初の内は」というのは、
アメリカでの留学生活を送っていくにつれ
やっぱり逃げずに全部読まないといけない様な
状況も、確かにやってくるためです。
「プレリード」の詳しい情報やコツに関してはこちら
⑤ 予習とは、「質問作り」である。
予習とはつまり授業への準備なのですが、
アメリカの大学の授業への準備、
つまり「参加するための準備」となると
質問をあらかじめ用意しておく事が基本です。
既に有名な話かつ事実ですが、
アメリカの大学の授業では教科書の内容や史実をもとに
自分の意見をちゃんと述べることが必須です。
そしてそれが「参加点」として成績に直結
ですが、いざ本番の授業では
緊張してしまったり周りの目を気にしたり、
そもそも何を発言すればよいのか分からない…
という事態も、特に最初の内は起こるでしょう。
いずれは解決せねばならない問題ですが
そこで、質問の仕込みです。
海外留学でのクラスの中には
そのトピックに疎かったり興味が無かったり、
そもそも授業の内容がよく分からない…
ということもあるでしょう。
ならば、それらの疑問や質問を
授業の中で聞かない手はありません。
純粋に予習で出た疑問を解決するため、
また授業参加への足掛かりにするためにも
授業前には質問を用意しましょう。
そして、
「もう質問も疑問もないよ!授業の準備はバッチシ!」となったら、
次の段階に進みましょう。
⑥ 予習とは、「発言の用意」である。
先ほどの項目とも似ていますが、
アメリカの大学の授業において
参加をしない・沈黙を守るという選択肢はありません。
参加するにおいての最たるものが
先ほど挙げた質問を考えることですが、
他にも発言の方法はたくさんありますし、
むしろこちらの方が授業の本質になってきます。
例えばクラス内では、
- ディスカッションや意見交換
- 単発での「あなたはどう思う?」
- ないし「私はこう思います」
この様に、発言を求められる機会が多々あります。
そんな時、質問をするのもいいですが
最終的には「で、あなたはどう思うの?」
という質問を逆にされることとなります。
そのため、予習の段階から
自分の意見や立場、調べたことなど
「何を授業内で発言するのか」を
しっかりとまとめておきましょう。
もちろん、授業内の様子や内容に応じて
臨機応変に発言するのが一番ですが
その為の話すネタの準備、ということです。
⑦ 予習とは、「ググること」である。
いくら自分で読んでも考えても、
「分からない!思い浮かばない」という事は
必ずや発生します。
全てを知っている訳ではありませんから、当然のことです。
先述の「予備知識」に始まり、
教科書ではカバーしていない部分を、
または単純にもっと分かりやすい情報を…
という事ならば、素直にググっておきましょう。
ですが、予習においてググる上で
いくつか注意しておくことがあります。
まず一つは、何かを調べた場合には
その出どころ(ソース)をはっきりさせておくこと。
これは、その情報が信頼できるか…という問題と
後々似た内容において再利用できることが挙げられます。
また、これは言うまでもありませんが
「これは私の意見・調査です!」という
いわゆるプレジャリズム(盗作)をしないこと。
そして、授業に挑むにあたって
それまで知らなかった便利情報は
きっちりノートにメモしておくのを忘れずに。
⑧ 予習とは、「手抜き」である。
あら。
ここまで散々に予習の大切さを説いてきたのに
ここで手を抜くとは何事だ…という声が
あちらこちらから聞こえてきますが。
これには、いくつかの意味があります。
一つは、あくまでも予習は授業への準備なので
授業内で補足してくれそうなことまで
ビッチリとやり尽くす必要はないよ、ということ。
そして。
特にリーディングにおいて言える事ですが、
全てのテキストに一文一文目を通していては
とてもではないですが終わりません。
教科書を通して授業の予習をするといっても、
アメリカの大学の授業では先述のように
とても終わらないような莫大なページ数が宿題として出される事も
決して少なくはありません。
そして最悪の場合、
他の授業のリーディングやエッセイも
同時に襲い掛かかってくる…なんて事態も
留学生活においては起こります。
そんな時、予習でオーバーヒートしてしまっては
臨める授業にも臨めません。
そしてこれは極論ですが、
仮に予習で「全て」を勉強してしますと
別に授業に行く必要がなくなってしまいます。
あくまでも、予習は繋ぎ。
遊びは残しておきましょう…という、「手抜き」です。
予習と授業とを合わせて、勉強が完成する
というイメージを持ちましょう。
⑨ 予習とは、「復習」である。
予習と復習は、相互に繋がっています。
「一回休むとついていけなくなる」
という言葉(そして事実)もあるように、
アメリカの大学での授業は
一つ一つが連続的・有機的に繋がっています。
- トピックの継続
- 勉強してきたこと(予備知識)
- 関連性や相互性
つまりは、授業の復習をすることは
そのままダイレクトに
次の授業への予習をしている…という事になります。
先ほど
「予習と授業とを合わせて勉強は完成する」
と書きましたが、正確には
「予習+授業+復習」の3要素から
勉強は有機的に成り立っています。
そしてテストでも良い点が取れる
授業の前と最中ももちろん大事ですが、
その後の「後始末」こそ気を抜かずに。
この流れをつかめば、大学生活は好転します。
⑩ 予習とは、「生き残る知恵」である。
ネット上や文献での資料を見ると、
- 「現地の人は勉強を凄くちゃんとしているよ!」
- 「いやいや、現地の奴らは案外適当だよ」
という、現地の大学生に対しての
2通りのレビューがあります。
これは、どちらも本当です。
確かに、アメリカの大学生は「意識が高い」とされてはいますが、
日本の大学でもそうであるように
また筆者自身も観てきたように
意識が高い人はとことん高いですし、
低い人は毎晩パーリナイしています。
ですが、ここに事実が一つ。
だからと言って、私たち留学生が
現地の学生と同じノリでぐだっていては
授業などについていけるはずがありません。
留学生には、留学生の備えがある。
その「予習」という準備たるや、
海外の大学で生き残るための知恵なのです。
おわりに
準備こそ全て。
留学生活を成功させるためには、
いざ本番の授業に挑む…
その前の予習の質を上げる事こそが重要です。
よ~く、覚えておきましょう。
そして実行すること!
ではでは、今回はこんなところで。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
ご意見ご質問等あれば、「お問い合わせ」またはコメントまで。
…筆者、透佳(スミカ)
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