英語学習には大きく分けて2つの要素がある。
基礎学習と発展(応用)学習だ。
基礎学習は「単語」「文法」「発音」の3種類に分かれる。
発展(応用)学習は4技能という言葉もあるように、
「リスニング(聴く)」「スピーキング(話す)」
「リーディング(読む)」「ライティング(書く)」の4種類がある。
基礎と発展、合わせて7分野の英語学習が存在する。
まあ、わざわざこんな定義をしなくても実際日本の学生は
「今は単語の勉強をしよう」
「文法書を読もう」
「長文を読もう」
…等々、各々勝手に区別をしているわけだが。
さてこの7分野の英語学習において
「絶対に他人が目の前にいないと学習できない要素」はどれであるか、少し考えてもらいたい。
人に対面で教えてもらわないと学習にならない場合は存在するか。
まず基礎については
単語はそれこそ一人で勉強すれば良い話だ。
文法も参考書や映像授業・ネット検索・ツール等いくらでも頼るものはある。
発音でさえ、その類の日本語の教材を買えば完璧に解説されているし
学校で発音記号をしっかり習っている場合はもうそれで十分である。
そして応用についてだが、
リスニングはTOEIC・英検・共通テスト対策のリスニング問題集はいくらでもある。
スピーキングも単語と文法ができるなら自分で文章を作って話すことはできるし、
いわゆるフレーズ本(「英会話これだけフレーズ100」のような本のこと)を
全て暗記してしまってもとりあえずは事足りる。
リーディングはそれこそ自分との戦いだし、
ライティングも他人からの添削以外は基本一人での作業だ。
こう一つずつ書いてみると分かるが、
他人の手はあるならあるでよいが、必ず他人の手が必要な分野は存在しない
ということが浮かび上がってくる。
換言すれば、
英語学習のほとんどは独学・自習でまかなうことができるのだ。
こういうことを言うとすぐに
「でも英作文は誰かにチェックしてもらいたいです!」
「でも英会話は誰かがいないと成立しません!」
といったことを言ってくる人がいるが、
私が言っているのはあくまでも英語「学習(知識や技術を得ること)」についての話である。
英語学習というとすぐに「使うこと」をイメージする人は多いが、
実際は「取り入れること」の方が多い。
何かを書くためには、書く内容を先に頭に入れておかないといけないからだ。
何かを話すためには、話す内容を先に頭に入れておかないといけないからだ。
予め入れておいた以上の質量のものを出すことはできない。
これは英語学習における絶対のルールであり、
必然的に一人でできる独学・自習の割合が高まるのだ。
そして海外留学においては、毎日一日中話して・書いてでもいない限り
何かをアウトプットする時間よりインプットする時間の方が遥かに長い。
あくまでも時間の割合で言えば
自分が英文を書くよりも人の英文(例えば教科書や論文)を読むことの方が多いし、
自分が話すよりも人の話(例えば授業やプレゼン)を聞く時間の方が多い。
ここから結論として導き出されることが2つある。
1つ、自分から話す・書くことだけが英語学習ではない。
取り入れることを基盤にして、吐き出すことがあると言っていい。
2つ、海外留学は一人の時間を創出できないと死ぬ。
そうでないと単語も、文法も、読解も、何もできないからだ。
そういった日々の勉強・宿題をこなさないと退学になるのは留学の常識である。
…筆者、透佳(スミカ)
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