これはとある生徒(ここでは甲としよう)に
直接聞かれたことがある。
「結局、manyとa lot ofってどう違うんですか?」
こういう時、
乙にはお決まりの答え方がある。
「さっくり言うと、
a lot ofはmanyを包括するけど、manyはa lot ofを包括しない」
「つまり…
a lot of⊇manyだけどmany⊅a lot ofってことですかね。
なるほど、それは分かりやすいですね」
甲のような理系には特にウケがいいようだ。
「でも、なんでそうなるんですか?」
「英語的な話をすると、
a lot ofは可算名詞と不可算名詞両方いけるけど
manyは不可算名詞しか対応できない」
途端に甲の表情が曇った。
「ちょっと、そういう顔しない笑。
そこまで難しいコンセプトじゃないんだから」
「いや…だって英語の文法用語なんて…ねえ」
理系のあなたに
専門用語難しいだなんて言われたくない…
とは流石の乙も言えなかった。
「よし、また例え話の時間だ。
甲、例えば『コップ』は数えられる?」
「ええもちろん、数えられますね。
一個、二個、三個…
何杯っていう数え方もありましたっけ」
「うん、そうだね。
じゃあ、『コーヒー』は?」
「コーヒーは…
『コーヒーそれ自体』を数えるんじゃなくて、
例えば何ミリリットルだとか何杯だとか、
そういう数え方をしますよね」
「そう、そういう感覚が英語では極めて重要」
ようやく甲の表情が晴れた。
「『名詞それ自体』が数えられないのは不可算名詞。
数えられるのは可算名詞。そういうこと」
「なるほど…やっと理解しました」
教える側としては嬉しい瞬間の一つである。
「じゃあ、甲にはせっかくだから
こんな話もしようか」
「おぉ」
「a lot ofは今話した通りだけど、
じゃあそれを『a lot』にすると?」
「a lot…
ofがなくなるから、とりあえず
後ろに名詞が来なくなりそうですね」
「そうそう。
じゃあ、a lotの品詞は?」
「…てことは、名詞?」
「そう!名詞!
ちなみにmanyは形容詞。
まあこの辺も覚えておいてソンはないかな」
甲の表情がまた曇り始める前に、
乙はぼちぼち話を切り上げることにした。
…筆者、スミカ(Rick)
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