「海外留学後のリスニングロス」experienced。

ノンフィクション – experienced

「でもさ、実際話す分には
ググったりして思い出せばいいし、
言うほどなまりとかは感じなくない?」

「そうだね。
そして肝心な発音とかも、
あれは実は一回ちゃんと身につけてしまえば
そう悪くはならないものだし」

元留学生・同級生同士の甲と乙は語り合っていた。

「留学帰りだと結構家族とかに
『大丈夫?英語忘れてない?』
とか言われたりするんだけど、
案外別に忘れてなかったりする」

「そうそう。
まあ確かにレスポンススピードとかは落ちるから
はたから見れば『アイツは話せなくなった』
とか言われるけど、まあほっとけよと笑」

そういう意味では、
留学中にしっかり勉学していたという前提では
腐っても留学生なのである。

「じゃあ…落ちるのは?」

「これは間違いない。リスニング。甲は?」

「まあ、リスニング一択だね。
『英語漬けじゃなくなる』ってのが
こんなにもデカイと感じるのはリスニング」

「そうだよね。
より厳密に言えば、
『英語があれば便利』なのと
『英語がないと生きていけない』というのが
これほど差があるとは思わなかった」

これは旅行や駐在レベルではなく、
留学などの長期滞在でなければ絶対に分からない。

「そう。
コミュニケーションにおいて『聴き取れない』って
相当な致命傷な訳じゃん。
だからこそ、留学中は全身全霊で
耳を傾けてリスニングしようとする」

「それが日本に帰った途端…」

「成田空港の動く歩道に乗った瞬間、
『あ、もうあんなに頑張らなくても生きていけるんだ』
ってどこか肩の力抜けちゃうんだよね」

「甲、君は私か笑」

畢竟、
この脱力感と戦うのが「元」留学生である。

 

…筆者、スミカ(Rick)

「海外留学後のリスニングロス。」

【追伸】
いつかシャドーイング教材を制作する日が来たら、
それはぜひ元・留学生に捧げたい。
正直あれは留学生レベルの英語力があるからこそ活きる。

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