「海外留学の存在意義」experienced。

ノンフィクション – experienced

「みんな海外留学で得られることとして
『英語が話せるようになった』って言いますけど、
正直たかが数年では限界がありますよね?」

「そうだね。
用途や目的を極限まで絞れればいいんだけど、
数年『外国人』として生活したぐらいで
『ネイティブみたいにペラペラ』ってのは語学を舐めすぎ。
それは日本語を勉強する外国人を考えればすぐに分かるよね」

今日は留学コンサルタントである乙に対し、
(自称)留学経験豊富という知り合いが多い甲が尋ねる。

「その通りですね。
外国人が数年間日本で日本語を勉強して
『ペラペラ』って…99%無理ですよ」

「それを堂々と吹聴しているのが
今日の一部留学経験者ってわけ」

自分から「語学に堪能」と
アピールし始めるような連中のことである。

「じゃあ、本当は
海外留学では何を得られるんですか?」

「『日本では得られない経験』。それだけ。
海外留学というものが
特に珍しくなくなってきた現状においては、
『いかに変なことをしたか』ってのが武器になる」

「変なこと、ですか」

「例えば私はミシシッピで
スポーツマネジメントと教養学を学んだわけだけど…
もう『ん?』という単語が複数あるでしょ」

これは自慢ではないが、
おかげ様で自己紹介のネタには困らない。

「そうですね笑。つかみ抜群ですね」

「まあ例えばこういう、
日本では基本的に聞かないような名詞を
自らの血肉にできるってのが一つ海外留学かな。
わざわざ海外出てまで勉強するんだから、
最低限それぐらいはやらなきゃ」

「そうですよね。
英語って、たしかに必要ですけど
希少性は全くないですもんね」

「そう、その言葉が非常に大事」

このご時世でも勇気を持って留学を志す甲に一言。

「海外留学は多大なコストが伴う。
お金もかかるし、時間も数年かかる。
現地で病気になったり殺されるリスクもある。
その中で最低限の使用に耐える英語を手に入れて、
その上でニッチなことをするのが海外留学」

「ニッチなこと、ですか?」

「だって、例えば経済学とかそうだけど
『ザ・エリートがやりそうなこと』を
一般庶民がやっても意味はないでしょ?
教養学じゃないけど、留学は『自由になるための学問』なんだよ」

海外留学だと尚更、
「リベラルアーツ」の意味が身に沁みる。

 

…筆者、スミカ(Rick)

「海外留学の存在意義。」

【追伸】
その効果は別にして、
海外留学は多大なコストがかかる。
「このお金と時間があったら、日本で何ができるだろう」
と想像できるだけの完成は必要。

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