確か乙が中学生の頃だったろうか、
当時のクラス担任の先生が
英語のテスト前にこう言ったのを覚えている。
「よし、英語のテストは
まず最初にヒヤリングのテストだ。
それが終わった後に筆記のテストだからな」
それから10年。
「…っていうのをふと思い出したんだけどさ、
よくよく考えるとおかしくない?
今でも『ヒヤリングテスト』って言う人いるけど」
「そうだね。
確かhearを英英辞典で引くと
『音を耳で感知する/キャッチする』的な意味だから、
本来は極めて受動的な言葉なんだよね」
友人の甲も同調してくれた。
「だよね。
当時は英語とか何も分からなかったから
なんとも思ってなかったんだけど、
後々から考えてみるとん?って思ってさ」
「なんか、『ヒヤリングテスト』っていうと
例えば運転免許のときにやるような
『音が聞こえるか』みたいなテストがあるじゃん?
あれが一番近いと思う」
「確かに。それだわ」
専用の機械から流れてくる
小さなピーッ…という音を聞き取るアレである。
「でもそう考えると、
ヒヤリングっていう言葉はかなり誤用されてるよね。
なんかカウンセリング・コンサルティング的な意味で
ヒヤリングって言葉を平気で使っている人もいるし」
「聞きはするけど聴きはしない、ってか笑」
「そういうネタなのかもね笑」
敢えて言えば、
日本語のヒヤリングと英語のhearingで
意味が違ってしまっているのもあるが。
「・・・で、乙?」
「なによ」
「どうだったの、その英語のテスト」
「そりゃあ甲、
『質問文には全部「Yes, I do」で答えればいい』
なんてトンデモ理解していた中学生が、
英語のテストでまともな点数が取れると思う?」
これがかの39点である。
…筆者、スミカ(Rick)
【追伸】
和製英語も厄介だが、
本当に厄介なのはこういった
「直輸入のフリをして、日本風にアレンジされた」単語であろう。
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