仕事柄、これまで数多くの
「英語が苦手で…」という生徒の指導にあたってきた。
「なぜこの子は英語が苦手科目になってしまったのか」
という分析も日々欠かすことはなかった。
様々な子がいたが、彼ら・彼女らには必ず一つの共通した原因があった。
単刀直入に申し上げると、
どいつもこいつもロクに単語・文法の勉強をしていなかった。
単語も文法もロクに勉強していないクセに、
「英語ってちょっと難しくて…」と明後日の方向に自己分析していたのだ。
それは英語が難しいのではない。
単に初歩・基礎がなっていないから、難しく感じるだけである。
単語力がない、文法の知識理解もロクにない。
それでは英語が苦手になって当たり前である。
ではなぜ単語力がなく、また文法の知識理解がないのか。
それは単純に、これまでしっかり勉強したことが一度もないからである。
これ以外の理由は一切存在しなかった。
「この文章が読めません」というヤツに限って
中学1年生の英単語を覚えていなかったし、
中学1年生で出てくる文法が丸ごと抜け落ちていた。
「この並べ替え問題ができません」というヤツに限って
さっき指導した文法の内容をもう忘れていたし、
なんなら最初に習う「主語+動詞のルール※」も忘れていた。
(※文章の最初は「主語+動詞」で書き始める、という基本原則のこと)
「この英作文が書けません」というヤツに限って
教科書に出てくる単語もロクに復習していないし、
学校の授業でやったはずの知識もなかったことになっている。
勉強していない。だから当然苦手になる。
それ以上でもそれ以下でもなかったのだ。
これは英語のみならず、あらゆる勉強における法則だが
一回見た・聞いただけで一生定着するわけがない。
それで定着するのは1万人中1人レベルで存在する天才のみである。
残り一万人中9,999人の「普通の人」は、
何回も同じ内容を反復しなければ絶対に記憶できない。
なぜこんな一見当たり前のことを強調しているかというと、
現時点で勉強ができない子に限って「一回で全部覚えられる」という発想があるからだ。
その謎のポジティブ精神を少し分けてもらいたいぐらいである。
学校でも塾でも、場所は正直どこでもいいが
何度も同じものに触れる。
何度も同じものを扱う。
何度も同じものを使う。
そうやって少しずつ、段々と定着度を上げていくのが勉強だ。
私が見てきた限りでは例外なく
ダメな子に限ってこの「何度も」というのを面倒くさがり、
たった一回できなかったぐらいで「英語難しい」などとほざいていた。
私はよく
「英単語が中々覚えられない」
「文法のルールが中々記憶できない」
という相談にも乗ってきたし
授業でもよくその話をしてきたから、
その解決方法もここで紹介しよう。
先述の「1万人に一人」という天才を除き、
人は本当に何かを記憶したい時には「1日4回以上」の接触を必要とする。
そしてこの「4回」というのは、タイミングが決まっている。
- 朝起きてすぐ
- 日中
- 日中(2とは30分以上空けて)
- 夜寝る前
この4回をこなすと、一気に記憶効率が上がるのだ。
あなたがもし現役の生徒か、または子供がいる親御さんなら
この「1日4回以上ルール」を実行して(させて)いただきたい。
これまでの記憶力はなんだったのか、という程覚えられるようになるはずだ。
それもそのはずで、
人の頭は「何度も見たこと」をより重要な情報として処理する。
そして人の頭は夜寝る前に見たことを一番覚えようとする。
その上それを寝起き最初にも見るから、ますます記憶が強固になる。
なんのことはない、これだけの話である。
まとめると、
「英語が苦手」などと言っていいのは
勉強するべきことを勉強して、記憶するべきことを記憶して、
それでも10点〜20点を連発する場合のみである。
最も、きっちり勉強して記憶もしてその上低得点という生徒は
私が教えてきた生徒の中には一人もいなかったが。
…筆者、透佳(スミカ)
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