今時ホームページが存在しない塾はほぼないだろう。
田舎の個人塾になるとごく稀に
公式サイトすら存在しない超・化石の塾もあるが、
そういった例外を除けば基本はある。
塾探し・塾選びの際も口コミかそれ以上に
ホームページに載っていることを調べる人は多いはずだ。
だが、
「ここの塾のホームページにはこう載ってたんですけど…」
というのは、実は現場の講師泣かせの質問である。
そんなものは読んでいないからである。
「講師自ら管理・更新しています!」
という塾でもない限り、そこまで関心がない。
実際にはホームページは外部の製作会社に丸投げする塾が多いから、
現場の講師がそれに興味を示す機会がないのである。
これを言うと驚かれることが多くて私の方が驚くのだが、
平均すれば塾講師のITスキルはかなり低い。
塾講師は仕事上パソコンが必須であり
毎日何かしらの形でパソコンを触るので、
「塾講師はパソコンが得意」と誤解されているようだ。
確かにタイピングは割と早い。
ワードやエクセルなどへの単なる入力ぐらいならできる。
それ以上のことが一切できないのだ。
平均年齢が高いというのもあるのだろう、
「パソコンは苦手」と堂々と公言する人が多い。
板書案(黒板に何をどう書くかをまとめたノートのこと)は
いつまでたっても各自手書き・PDF化されないから、
講師間で中々共有されずに秘伝のノートと化している。
メールの打ち方もまともに習わないため、
講師が親御さんに送ったメールの本文をちょっと見てみると
誤字・脱字祭りになっていたり日本語が怪しくなっていたりする。
「家にパソコンがない」というのはまだ可愛い方で、
「携帯電話を持っていない」という猛者も一次情報で知っている。
これは30代以下に向けて予言するが、
塾業界に入ると
「若いからできるよね?」ということでパソコンの作業を一任される可能性が高い。
この私ですら一時期任されていたぐらいだ。
さて、ホームページの話だった。
そんなITスキルの塾講師がただでさえ多忙の中、
わざわざ自社のHPを定期的にチェックして
「ここにはこういうことが書いてある」
「お客様にとって、弊塾の第一印象はこんな感じ」
「ここを聞かれたらこう答えよう」
というのを自分なりにまとめているだろうか。
そんなわけはない。
実際には、
「ホームページにこんなことが書いてあって…」
と言われると
「へ〜!そうなんですね!実際は…」
と言ってしまう始末だ。
もう一つ私が知っている例を挙げると、
「会社公式のSNSがある」
という事実を知らないどころか
「SNSって何?」
という質問が社内で飛び交ったこともある。
教育業界経験者は全員知っているだろうが、
この業界は職人肌気質の人の割合が高い。
「職人」というと聞こえはいいが、
要は自分の仕事と直接関係のないことには一切興味を示さないということだ。
(なんで社員教育の一環としてホームページを見せないんですか、
というのは全くもってその通りである)
「ホームページの内容と実際のサービスの内容は一致しているべきだ」
というのは確かにそうあるべきだが、学習塾にはまず通用しない。
現場はホームページなんて読んでいないから、
ホームページの印象と実際の塾の印象・実態は異なることが多い。
そこを気を付けた上で、ホームページは話半分程度に留めて
最後は実際に話してみたり現地に行ってみたりしてみよう。
そこであなたが得た印象が全てである。
…筆者、透佳(スミカ)
コメント