塾講師として、教室の奥まではっきり通る声を持っていることが有利に働くのは間違いない。
だがここで一つ忘れてはいけないのは、「通る」と「うるさい」は全く別の概念であるということだ。
「私の声はよく通るんです」と言うから教室内で聞いてみるとただ単にうるさくてウンザリさせられることもある。
【追伸】
「通る」というのは中くらいの音量でもよく聞こえることであり、
「うるさい」というのは馬鹿でかい音量で無理やり耳に叩き込んでいるということだ。
両者は似てもいないどころか接点すらなく、本来は対極の概念である。
通る声は心地よいが、うるさい声は心地悪い。
通る声で授業をすると生徒は心地よく集中できるが、
突然うるさい声を出されると生徒はびっくりして集中を削がれてしまう。
「私の声は通る声ですか?うるさいですか?」
そう聞いてくる人は間違いなくうるさい声である。
通る声の人はそんな質問をしないからだ。
こればかりは才能だと私は思っている。
歌の上手い下手が生まれつきである程度決まっているのと同じだ。
…筆者、透佳(スミカ)
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