乙はTwitter依存がひどい。
朝起きたらとりあえず、
電車の中でもとりあえず、
夜寝る前にもとりあえず水色のアイコンを指で叩いている。
乙はこれまでにも
この様な現象になったアプリはいくつかあった。
その度に決心して全て消してきた。
前日はなんと
あれだけ見ていたYouTubeのアプリを消した。
そんな乙でもTwitterは無理だった。
乙は甲と繋がっていた。
甲のつぶやきが通知に乗って流れてきた。
「甘えたいよ」
学者風情の乙はふとこんなことが頭によぎる。
「『甘えたいよ』って英語でなんていうんだろう?」
I wanna be sweetは流石に論外だろう。
パッと思いついたまともなフレーズは
I wanna be with youか
I wanna be on your sideだった。
どちらも乙のお気に入りの歌の一節だ。
いっそI love youでもありかもしれない。
そんなことを自分なりに考えながらGoogleを開く。
やはり絶対的な模範解答はない。
Spoilはちょっと甘々甘やかす…って感じがする。
『Like a baby』だと失恋のテーマになってしまう。
そこでふとこんな表現を見かけた。
『I want you to hold me tight.』
直訳すると
「ギュッと抱きしめてほしい」。
これもちょっと甘々すぎるきらいがあるが
まあ要はこういうことなのだろう。
これに限らず日本語はどうも
「で、要はどういうことなの?」という言葉が
多すぎるきらいがある。
『死んでもいいわ』程極端ではないにせよ。
そんなことを思い浮かべながら
「①」が点灯した鈴を触る乙。
乙は照れ隠しで甲に「いいね!」はせず、
代わりにこっそりスクショをしていた。
こんな学習方法なら
むしろご褒美で続けられるな、と
一人部屋でニヤニヤしていた乙だった。
…筆者、スミカ(Rick)
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