Friend:人脈・コネはチートアイテムではない。アメリカはそこまで甘くない。

孤独の留学

海外留学をしていると、たまにこういう人に出会う。

「あの人のお父さんは有名外資企業に勤めているからコネで入れてもらった」

「あの子は人脈が豊富だからあちこちの方面に顔が利く」

私はアメリカでスポーツビジネスを学んでいたわけだが、この分野も

インターンや就職先等に入り込むためには絶対に何かしらのコネが求められたものだ。

(誰の紹介もない一見の人がどこかに勤めることはほぼ不可能である)

だがこういう話をすると、

「じゃあコネがあるかがどうか全てなんですね!」と早合点する人が登場する。

確かにコネも大事だ。

「コネも一つの実力」という言葉もある。

だが海外留学におけるコネについて忘れてはいけないのは、

コネを使って入り込むことは確かにできるが

そこに継続的に居続けることができるかどうかは別問題だということだ。

これが一旦入ってさえしまえばあとはどうにでもなる日本との違いである。

換言すれば、

コネが通用するのは「入場」の段階だけだ。

あくまでも優先的に入場できるというだけであり、

いざ入った後は「仕事の実力」のみをシビアに判定される。

いくらコネが強力でも、肝心の仕事ができなければ即切られる。

仕事はコネでするものではなく、実力でするものだからだ。

これは日本国内の話として考えればすぐに分かるはずだ。

いかにあなたに何十人も医者の知り合いがいたとしても、

ではあなたが今から医者として働けるかといえばそれは別問題であり

結局はあなたに医者としての実力があるかどうかの問題になる。

いかにあなたに何十人も経営者の知り合いがいたとしても、

ではあなたが今から経営者として起業できるかといえばそれは別問題であり

結局はあなたに経営者としての実力があるかどうかの問題になる。

コネありきではなく、実力ありきなのだ。

日本国内で例えるとこうやってすぐに分かるのだが、

こと海外留学になるとすぐに

「コネだけであとはどうにかなる」

「人脈で全て決まる」

という発想の留学生が登場してしまう。

もしかして、アメリカは日本以上の「コネ社会」だとでも思われているのだろうか。

日本にはない文化に履歴書の「Reference(紹介)」欄があるから、

ここに誰を載せられるかで人生が決まるとでも考えられているのだろうか。

もちろん、親が誰でも知っているような有名人で

かつそこにいるだけで毎月大型案件を引っ張って来てくれるような

「幸運の置物」として役割を全うできるレベルの人なら話は別だ。

そのレベルのコネがあるならこんな文章なんて真面目に読む必要はない。

だがそうではない場合を除き、

アメリカはいかに強コネだろうが仕事ができなければ通用しない。

肝心の実力がなければ、どれだけコネがあっても全て無力と化す。

その証拠に、アメリカは社員をクビにできる基準が日本の倍緩い。

「不要」と判断された社員は即日解雇できる仕組みになっている。

「家族や友人の紹介」というだけで入れる学校や会社があって

どれだけ無能でも不祥事を起こさない限りクビにはならない日本の方が遥かにコネ社会である。

その上で一つこっそりとささやいておくと、

留学先で正しい土俵を選んで正しく実力を磨けば、必ずその大学の教授の目に止まる。

その教授一人の紹介・経由だけで、実はコネに関してはどうにでもなる。

あとはあなたが実力を発揮すればいいだけの話だ。

 

…筆者、透佳(スミカ)

『孤独の留学』特設ページ(目次)はこちらから

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