自分が英語を学ぶ時には、他の誰かの学習法を参考にすることが大半だろう。
別にそれ自体は決して悪いことではない。
だがここで忘れてはいけないのが、
その人が結果が出たからといって、あなたも同じ方法を真似すればそのまま同じ結果が出るとは限らない
ということだ。
例えば、「東大生おすすめの英単語が一撃で覚えられる暗記法!」のようなものがあったとしよう。
確かにこの方法は、東大生にはこれ以上ないピッタリの方法なのだろう。
だが、率直に申し上げて東大未満の水準の人が同じ方法を真似して成功するとは限らない。
東大に入るような天才だからできるのであって、
一般庶民にはとてもできないような学習法も少なくない。
例えば、以前亡くなった日本の政治家で鳩山邦夫さんという方がいた。
この方は東大をトップで入って、トップで卒業したという本物の天才である。
そんな彼の勉強法は限りなくシンプルなものだった。
「一回見れば、覚えられる」
彼に言わせれば、参考書を見れば完璧な答えや解説が載っているのに
なぜ皆これが覚えられない・理解できないのかが理解できないそうだ。
私は塾講師の経験もあるが、確かにこういう子は1000人に1人ぐらいの割合で存在する。
単語を一回見て一回聞いたらサッと覚えて、一生忘れない子だ。
こういう子は、残り999人が単語帳を何回もウンウン唸りながらめくっていることの意味が理解できない。
「え?なんで一回で覚えられないの?」
と本気で思ってしまうからだ。
塾講師に加えて短大図書館でのチューターとしての勤務経験を総動員してお伝えすると、
現時点で勉強ができない人に限って、東大生など「超・できる人」の真似をしようとする。
もちろんその方法はその人には合わないから、定着するわけもない。
こうして私のもとに泣きついてくる同級生も少なくなかったというわけだ。
そういう彼ら・彼女らに向けて、私が伝えることは一つだった。
「『これなら自分にもできるな』という勉強法を見つけましょう」
ということだった。
上では純粋なIQ・偏差値の違いで差を示したが、
他にも学習者は一人一人ごとに違いがある。
長時間集中できるタイプ、短時間しか集中がもたないタイプ。
見ると覚えられるタイプ、書くと覚えられるタイプ。
周りの音があっても勉強できるタイプ、無音でないと勉強できないタイプ。
上の「東大かそれ以下か」と合わせるだけで、これだけで実に16通りのタイプになる。
(2×2×2×2=16)
ここで大切なことは、
あなたのタイプにぴったりな学習法を発掘できれば成功するし、
発掘できなければただ時間を浪費するだけで終わってしまうということだ。
「何があっているか」を知るためには
もちろんこうやって人の意見や分析を参考にしたり
実際に出た数字・結果で判断することも大切だが、
最後はあなた自身の直感で決めることだ。
勉強するのは他でもないあなたなのだから。
…筆者、透佳(スミカ)
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