とある年度の日比谷高校と開成高校のそれぞれの英語入試問題を見比べる機会があった。
日比谷高校の問題は確かに難しいが、義務教育で習う中学英語の範囲を逸脱するような文章は絶対に出てこない。
一方開成高校はといえば、長文読解の冒頭から容赦無く過去完了やら知覚動詞やらが出てくる。
【追伸】
この現象を表すのに分かりやすい言葉がある。
「日比谷高校の高校2年生が、開成高校の入試問題を解くとちょうど良い」。
いくら都立トップの日比谷とはいえ、公的機関(ひいては文科省)の管理下である。
国自ら「学習指導要領」ということで教える内容を厳密に指定しているのに
その国(都道府県)が運営する高校の入試で高校英文法を出すなんて真似はできない。
問題中のどの文章を取り上げても、極めて忠実に中学英文法なのだ。
対して私立にはこれが通用しない。
ましてや開成高校のような
中学3年間の時点で通常の高校1〜2年生の範囲を終わらせかねないような名門なら尚更だ。
私立はその学校法人の一存でカリキュラムを自由に決めることができる。
それで例えばこういうことが起こるというわけだ。
【追伸の追伸】
だから大学入試と違って、一つ苦手科目があるからといって
安易に私立一本で絞るのは高校入試ではあまりお勧めしない。
絞った結果、残った科目の難易度が跳ね上がってしまうからだ。
それが一番顕著に現れるのが英語であると私は思っている。
私が知る限りだと理科社会がどうしても嫌で公立入試から逃げる層は少なくないが、
その場合は問題の難易度が上がるか偏差値を下げるかの二択を迫られる。
…筆者、透佳(スミカ)
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