「『〇〇って英語で何て言うんですか?』
って聞いてくる人多いけどさ、
んなもん自分で調べろって話だよね笑」
「甲、それは教育業に携わる者として
絶対に言っちゃいけないことだね笑。
まあ、気持ちは分からんでもないけど」
友人同士、
今日も周りに聞かれたら大変な内容である。
「いやだって…
調べりゃ出てくるじゃん?ね?乙?」
「まあまあ…でも、
『調べて出てきたのが正しいか分からない』
『それなら直接聞いた方がいい』
っていう考えじゃないのかな」
「そういうところだよ。
それだから日本人はダメなんだよ」
「だから最近の若者は…」的なノリの、
留学経験者特有の
「だから日本は…」論議だと思っていただきたい。
「ダメって…何が?」
「まずさ、言語に限らず勉強っていうのは
自分で試して実践して痛い目みて、
それで学んで改善してもう一回…っていう
トライ&エラーで身につけていくものなの」
「そうだね」
「そうするべきところを逃げて、しかも
『だってあの人がそう言ったから私は悪くない』
みたいな言質を取ろうとしてんのが極めて陰湿」
「こらこらこら笑」
言っている中身自体は間違っていないだけに。
「まあ、甲の言いたいことは分かる。
まず自分で調べて行動して何かしらの結果が出て、
その上で初めて人を頼れ…ってことだよね」
「そうだね。
そりゃあ、一から十まで全部教える人もいるよ?
でも、本当の教育を考えたときにそれでいいのって話」
甲は教育者というよりは
むしろコンサルタントの気質があった。
「何かを人に教える以上は、
いつまでもべったりにさせるんじゃなくて
いつかは独り立ちさせるのが目標じゃんか。
初期段階はしょうがないとしても、
いつまでも一人で歩かせようとしないのはダメ」
「分かる。
ずっと質問してくる人って、
いつまでたってもずっと質問してくるもんね」
「そうそう。
言っちゃえば、動きたくないんでしょ。傷つきたくない。
だから質問魔になって時間稼ぎしようとしている。
そういう人を応援したいとはあまり思わない」
この世のすべてに共通するのではなかろうか。
「乙、俺はね、
『なんとか挑戦しているんだけど、ちょっと不器用』
みたいな頑張り屋さんを支えるためにこの職を選んだんだよ。
それでこそ教育者ってもんじゃないかな」
今日はいつにも増して甲が輝いて見えた。
…筆者、スミカ(Rick)
【追伸】
自分でググって自分で話してみて、
もしあまり伝わらなかったら相手にこう聞けばいい。
「こういうのって、本当は何て言うの?」
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