English:リスニングが苦手なのは、発音の勉強をしていないから。

親御さんには絶対に教えない学習塾のホンネ

例えばstudentという単語があるとしよう。

リスニングということはつまり、

他人(多くはネイティブ)がstudentと発音しているのを

正しく「student」と認識するということだ。

その為には、「student」の正しい読み方(発音)を知っておく必要がある。

正しい読み方を知らないということは

自分が知っている「student」の発音と

実際に読まれている「student」の発音が違うということだから、

それではいつまでたっても「student」とは認識できない。

さて、「student」の正しい読み方とは何か。

私が直接教えていた生徒含め

中学生の過半数は「すちゅーでんと」と読むが、それは間違っている。

正しくは「sチューデンt」である。

日本語には母音(あいうえお)の発音しかなく

日本語の発音にはすべて「あいうえお」のどれかが必ずつくが、

英語は母音がなくても発音することができる。

それが子音と呼ばれるものだ。

厳密に言えば、日本人からするとついているように感じるのだが

英語上はついていないという扱いになる。

例えば上の「sチューデンt」の最初の「s」は、

「す」を喉が震えないぐらいの超小声・かつ一瞬で発音すると出る音だ。

分かる人には分かる話をすると、

ちょうど寝起きドッキリの「おはようございます」のテンションで話すと喉を振るわせずに発声できる。

その最後の「す」を短くしたのが英語の「s」なのだ。

(専門的な解説はいくらでもあるが中学生にはこちらの方が馴染みやすい)

そして、最後の「t」は

同じような発声方法で「トゥッ」と発音すれば出る。

さて、この文章を読んだあなたはもう正しい発音ができるはずだ。

まず、日本語風の「すちゅーでんと」。

次に、純正・英語の「sチューデンt」。

なぜリスニングなのに発音の話をしているかと言えば、

リスニングには

自分が正しく発音できる言葉は、その通りに聞き取ることができる

という法則があるからだ。

これは換言すれば、

自分が発音できないものは、音としては認知できても単語としては聞き取れない

ということにもなる。

studentを日頃「すちゅーでんと」と信じて疑わない生徒は、

いざ本番で「sチューデンt」と聞こえてきたらもうお手上げ状態で

「え、今の何て言った?」という状態に陥っていたものだ。

それに対して、しっかり「sチューデンt」で覚えている生徒は

本番でも同じように発音されるから、しっかり聞き取ることができる。

ここから言えることとして、

英単語を勉強する際は必ず、「正しい読み方」もセットで覚えることだ。

それがリスニング対策の第一歩である。

「でも、単語を勉強するときに正しい読み方なんて分かりません!」

そういう人に向けて、とっておきの必殺技を紹介しよう。

まあ、必殺技と言っても

ほぼ全ての単語帳はもちろん学校の教科書にもしっかり載っているものだ。

それをマスターしてしまえば、一生発音に困ることはなくなる。

そう、発音記号である。

「何それ?」という人がいそうだから紹介しておくと、

単語の「student」が載っているそのすぐ隣に

[st(j)úːdnt]

という謎の記号が添えられているのを見たことがあるだろう。

それが発音記号である。

私が知る限り、中学生の最低9割は

まともに習ったことが一度もないから完全スルーするものだが

発音記号はもっと評価されていい。

どんな単語帳や教科書にもほぼ確実に掲載されている上に、

これさえ読めればそれだけで正しい発音が完成するのだから。

最近ではフォニックス、シャドーイング、洋楽…など

「発音が苦手な人に向けて」という学習法が増えてきたが、

極端な話発音記号が完璧なら他はついでにあればいいというぐらいだ。

「中学生に発音記号なんて…」と思う講師は多いが、

私は中学生にこそ発音記号をやらせるべきだと思っている。

高校生になって初めて発音記号をやらせようとしても、

もうアレルギー反応が出てしまって受け付けなくなるのだ。

あなた自身、またはあなたのお子さんが中学生ならお伝えしたいのは

発音記号は一回きっちり勉強すれば絶対に誰でも習得できる。

なぜならお手持ちの学校の教科書に概要は全て分かりやすく載っているからだ。

(誰も見ていないが、実はほぼ全ての学校教科書はきっちり紹介している)

単語の正しい読み方を早いうちからしっかり学ぶことが、正しく聞き取ることの第一歩である。

 

…筆者、透佳(スミカ)

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