塾講師は仕事柄、
生徒が目の前で問題を解いているのをじっと見守ることが多い。
特に私の場合は授業中に問題演習の時間をとることが多かったから、
平均並みかそれ以上にその経験はあると自負している。
また、塾講師としての仕事の一つに模擬試験の試験監督がある。
これも生徒が問題を解くのを目の前で見守ることになる。
これらの経験を通じて気付かされたのは、
デキる子はサッと解き終わって時間を余らせているし、
ダメな子はいつまでもチンタラ解いているか、そもそも解くのを放棄している
ということだ。
解くのがやたら速い子はすごく出来るかすごく出来ないかの二択だから分かりやすい。
やたら遅い子はすごく出来ない一択だったから、こちらもすこぶる分かりやすかった。
さて、なぜこうなるのかは簡単だ。
スピードが速いということは、ポイントを抑えているということだからだ。
(念の為、ポイントを抑えていないのにスピードだけ速いのはただの手抜きである)
勉強ができる子の場合は、
覚えるべきことをしっかり覚えている。
理解するべきことを正しく理解している。
つまり正確に問題を解くことができる。
そして、
「正確に解いて、正しい答えを出す」という体験を積み重ねると必ずスピードが上がる。
その結果、より良い点数が取れるようになるのだ。
これは勉強のみならず全てにおいて言えるだろう。
何か書類を印刷するのも、手順を正確に覚えた上で経験を積むと必ず所要時間が短くなる上に質が上がる。
プレゼンの準備や企画書作りも、手順を正確に覚えた上で経験を積むと必ず所要時間が短くなる上に質が上がる。
スーパーに買い物に行くのも、手順を正確に覚えた上で経験を積むと必ず所要時間が短くなる上に質が上がる。
何事も正しくやれば、必ずスピードが上がるのだ。
正しくやった結果スピードが上がると、必ずパフォーマンスも上がる。
改めて勉強について申し上げると、
デキる子というのは問題を一瞥した瞬間に
「この問題はこうやって解くな」というのがサッと頭に思い浮かぶ。
これまでに同じような問題を解く練習を積み重ねてきたからだ。
やり方が分かるから、途中で手が止まったり頭を抱えたりすることもない。
結果的に、正確に解けるとスピードも速くなるようになっているのだ。
こうして得点を稼げるから、成績もアップする。
これに対して、デキない子というのは問題を一瞥しても
「この問題、どうやって解くの?」とまるで検討がつかない。
その問題への理解が定着していないか、地道な練習をサボってきたからだ。
やり方が分からないから、途中で手が止まったり頭を抱えたりすることになる。
結果的に、正確に解けないとスピードも遅くなるようになっているのだ。
こうして得点を稼げないから、成績も中々上がらない。
ここから浮かび上がってくる事実が二つある。
まず、その問題が解けるかどうかは問題を解く前に決まっているということ。
次に、よほどの天才でもない限り「初見問題」は解けないということだ。
ここから言えることは、やはり普段の準備の大切さである。
塾で授業を受けたり、問題を解いたりしている最中は
答えを丸暗記したり思考停止のパターン化に陥ったりするのではなく、
「こうやったら答えが出るんだな」という
問題の正しい解き方を覚えることに集中することだ。
急に今目の前にその問題が出されても、サッと思い出せるようになるまで覚えよう。
そこまで深く記憶に刻み込めば
詰まることがなくなるから必ずスピードが上がり、
サッと正答にたどり着けるから成績も向上する。
この世にはたった2種類の生徒しかいない。
問題が正確に解けてかつサッと解き終わる優等生と、
問題が正しく解けずにかつ中々解き終わらない劣等生だ。
正確に解けるんだけど、時間内に解き終わらない生徒というのはこの世に存在しない。
…筆者、透佳(スミカ)
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