先日のボスキャリに参加しました。
スミカさんのボスキャリ感想記事を見ました。
概ね納得できる内容だったのですが、
最後の10番目の項目
「英語面接がイヤな人は人生やり直し」が
どうしても納得いきません。
言いたいことは分かるのですが、
日本人として英語面接に苦手意識があるのは当然ですし
そこまで高い次元を要求されることなんてそうないですよね?
本当にバイリンガルでなくとも内定はもらえましたし。(福岡県・学生・Sさん・男性・22歳)
まず、Sさんのご年齢ですと今年年末か来春から
社会人として働かれると思うのですが、
Sさんがどう意図しているかは関係なく
相当棘のある伝え方をされています。
最低限かしこまったブログの質問コーナーに
この様な文体で書くということは、
将来上司やお客様に対しても
必ず同じ口調をやらかしますので注意しましょう。
このブログについてですが、
私は読者に力技で「納得してもらおう」とは
全く思っていません。
読者の方々自らが
「納得してみよう」「考えてみよう」と
感じるキッカケを作るために書いています。
「俺を納得させてみろ」と
ふんぞり返っている人は苦手です。
納得は人にさせてもらうものではなく、
自分からしようとした場合のみ
最終的に納得することが出来ます。
これは分かる人には一瞬で分かりますし、
分からない人には一生分かりません。
極力「~と思います」「~ということもある」
といった婉曲表現は使わずに
全て言い切っているのもこれが理由です。
言い切らないと人は動きません。
なので、その様な意味では
Sさんのように批判をいただけた時点で
記事としては成功です。
そしてもう一つ、
Sさんが意識的か否かは関係なく
『言いたいことは分かるのですが…』は
要注意ワードです。
『本当は分かっていない』どころではなく、
『お前の言いたいことなんか興味ないから
とにかく黙って俺の話を聴け』
という意思表示になります。
「Yes, but…」が嫌われる所以です。
ちなみにもう一つ、
『概ね納得できる内容だった』も人によっては
『まあ少しは認めてやってもいいぞ』という
上から目線(ツンデレ?)と受け取られるのでご留意を。
さて、本題に移ります。
今回のボスキャリで一番驚いたのは、
「面接英語!?イヤだな…」というセリフを
留学生が異口同音に発していたことでした。
留学生ですらこうということは、
国内大に籍を置く組はもっと悲惨です。
現在の日本人学生の課題として、
「お勉強やテストの英語は得意だけど、
いざ実際の場になると英語が使えない」
という現象があります。
国内生は論外として、
最近は留学生の中にもこういった
「勉強英語だけが得意な人」が急増中です。
日本でのノリを
そのまま海外に持ち込んでしまった人です。
なんせテストやお勉強は出来てしまうので、
入学や卒業に苦労することはなく
日頃の授業に置いていかれることもないぶん
さらに厄介です。
一言で表せば、
「模範解答のある英語」しか扱えないのです。
- アカデミックの論文やプレゼン
- 授業内でのテスト
- 基本的な英会話
これらに共通するのは、
「こうしておけばオッケー」という
テンプレ・予定調和があるということです。
ですが、いざ社会に出ると
「こうしておけばいつも安心」というのはなく、
その場その場の状況に合わせて
臨機応変な対応が求められます。
模範解答を「作る側」に回るのです。
- 今、目の前の課題をどう解決するべきか
- 今、目の前の質問にどう答えるべきか
- 今、目の前のニーズをどう調べるべきか
模範解答は模範解答として、
それを超えるものを自分で生み出すのがプロです。
私の中でのバイリンガルとは、
日英両方でこれが出来る人のことです。
英語はおろそか、
日本語でもこれが出来ない人なんてゴロゴロいます。
どれほど喋りが流暢であろうが
バイリンガルとはとても呼べない人はいますし、
逆にそれ程堪能ではなくても
立派にバイリンガルな人もいます。
採用の企業面接の場合は当然ながら
「模範解答を覚えるのが得意か」ではなく
「模範解答を作る術を持っているか」を見ています。
それがビジネスだからです。
模範解答暗記の達人どまりなら、
わざわざ人なんて雇わないで
本屋に足を運ぶ方が効果的・効率的です。
本当に欲しいのは
「アカデミック英語(暗記)」ではなく
「ビジネス英語(対応力)」なのです。
ここが決定的に異なります。
そういう意味では、
いわゆる面接マニュアルに載っているような
「模範解答集」を本番の面接で
そのままやらかしてしまう人は、
社会人としては絶望的です。
『英語面接がイヤな人は人生やり直し』
は語弊がありました。
訂正してお詫び申し上げます。
『面接がイヤな人は人生やり直し』です。
言語への知識ももちろん大事ですが、
それだけでは言語は完成しません。
定期テストのような勉強をするのではなく、
実力テストのような勉強をしましょう。
回答、スミカ(Rick)
【追伸】
確かに、アカデミックな英語は
ビジネス英語を構成する必要条件です。
ですが、それだけでは十分ではありません。
「自分から考える」を英語で出来てこそバイリンガルです。
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