長文読解なしに海外留学を語ることはできない。
授業の予習課題として出される教科書・論文・文献はもちろんのこと
日常生活・公的手続きも全てが英語だし、
自分で論文を書いたりプレゼンを作ったりするときに
参考資料を当たる際にも長文読解は避けて通れない。
先述した英語4技能(Listen, Speak, Read, Write)の中で
留学において毎日必ず求められるのはまずリーディング(読解)なのだ。
リスニングは現地で暮らして日々改善していけば必ず伸びる。
授業がない休日など、下手したら一言も発さない日もある。
いくらペーパーが多いからといって、文字通り毎日書いているわけではない。
だが、「英文を読む」という行為だけは間違いなく毎日行うことになる上に
放っておいて勝手に伸びるということはない。
自分から意識して伸ばす必要がある。
そして海外留学における文法力は最低でも、
自力で高校英文法の問題集が解けるレベルが求められる。
いくら機械翻訳を使ったり人に聞いたりすることができるとはいえ、
肝心の自分自身の文法力が疎かではそれらの活用もおぼつかないからだ。
いくら翻訳ツールがあるからといって、
では今まで全く習ったことのない言語を使っている国に留学ができるかといえば
そんなことはないはずだ。
翻訳ツールを活用するためにも最低限の文法力が必要だし、
そもそも全ての文章で機械翻訳を通していたら時間が何百時間あっても足らない。
それだけに、読解が苦手なままだと海外留学は相当な苦戦を強いられる。
留学1年目の私がそうであったように、
宿題として教科書を読んでいるだけで休日が潰れてしまうことも珍しくない。
留学生である以上、読解力の向上は必須条件である。
私の塾講師としての知識と経験を総動員すると、
読解力は以下の3要素によって構成されている。
- 単語力:45%
- 文法力:45%
- テクニック:10%
ここで注目してほしいのは、
テクニックでどうにかなるのは最大で1割だということだ。
いくら要領良く読んでも、いくら読む内容や量を厳選しても、
やはり正面から読む力がなければお話にならない。
正面から読むために何が必要なのかといえば、単語と文法なのだ。
「単語は一人でしか勉強できない」という話は先ほどした。
これは文法も同じなのだ。
文法力を伸ばすためには大きく分けて
- 文法書を読んだり、文法講座を受けたりする
- 問題集に取り組む
- 実際の英文(問題集ではない、例えば教科書や新聞)を解釈する
この3つの手段がある。
これらはいずれも、一人でなければ絶対にできない。
「何が苦手か」「どう解くか」「解釈するか」
というのは個人ごとにバラバラであり、
誰かと一緒になって取り組んでしまうと個人ごとの事情に合わせられなくなるからだ。
という訳で、海外留学においては
「一人で文法に向き合う時間」を意識して取る必要がある。
だが実際には文法の勉強はサボろうと思えばいくらでもサボることができるし、
後回しにしようとすればいくらでも後回しにできる。
私が知る限りでは、
「留学してまで文法はいいよ」
「せっかく海外に来たのだからまずは話さなきゃ」
「これまで日本で文法は散々やってきたんだから」
と言い訳する留学生は少なくなかった。
だがこういう人に限って文法力が全く伴っていない。
よって読解ができない。
その上、文法ができないから正しい文章が作れない。
よって会話もできないのである。
読解も会話もできないとなれば、留学では生き残る方が難しい。
いくら目的が英会話であろうと、文法は超・重要だ。
「文法なんていいよ」という人は信用してはならない。
そして文法は一人でしか学習できないものであり、
その為には一人の時間をなんとしてでも確保しなければならない。
…筆者、透佳(スミカ)
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