「low-context、high-context」experienced。

ノンフィクション – experienced

以前、SNSで微妙にバズった投稿に
IELTS Englishというものが登場した。

TOEFL Englishと言った方が
親しみがある人はそれでもいいだろう。

IELTSやTOEFLは、
英語圏の高等教育機関に入るにつき
非英語圏出身者の者が
自らの英語力が学問に十分であることを示すテストだ。

これらのテストの一つの特徴として、
登場する語彙や知識が難解というのもあるが
言い回しがとにかくまどろっこしい

「IELTS English meme」などで検索すれば出てくるが、
例えばこんなものがある。

Normal English(普通の英語)
“We don’t talk anymore.”

IELTS English(アイエルツ風の英語)
“You and I no longer engage in verbal confabulations.”

まるで使っている言語から違うようだが、
2つの文の意味は全く同じである。

ちなみに日本語にすると
前者が「私達はもう話さない」、
後者が「あなたと私は最早懇談で口頭の言葉は交わさない」。

日本語でこんな
まどろっこしい言い回しをしたら2秒で嫌われるが、
それを地で行くのがIELTSでありTOEFLなのだ。

海外留学時代、
受験生として、また講師として
TOEFLにどっぷり浸かっていた乙はそう確信している。

以前、
乙の一生徒であった甲が
TOEFLのスコア取得に際し
こう嘆いたセリフが乙には忘れられない。

「なんでこう、
難しい語彙で難しいことを難しく説明するんだよ!
もっと分かりやすくしてくれよ!」

だが悲しいかな、それがTOEFLである。

「だけどね甲、
一見難しそうな語彙で難しそうな知識を扱うのは
それこそが学術ってもんでもあるんだよ」

乙はこう甲を諭した。

「もう、そういうのいいから!
俺が自分で論文書くときには、
絶対にこんなまどろっこしい言い回しはしない!」

それ自体は極めていい考えだ。

「それにね、
『簡単な言い回しが出来る』っていうのと
『簡単な言い回しも出来る』っていうのとでは
まさに雲泥の差だからね」

「確かにそうか」

「学術だけじゃないけど、
かみくだくためにはまず味わう必要があるんだよ」

甲は妙に合点がいった。

 

…筆者、スミカ(Rick)

「low-context、high-context。」

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