「広く浅く」はウソ?アメリカ大学留学「教養学部」の長所と短所

英語ワンポイントレッスン

どうも、こんにちは透佳(スミカ)です。

今回は、筆者自身の現在の専攻でもある
教養学部』がテーマとなります。

日本的な言い方をすれば、教養学部教養学科
英語ではLiberal Studiesと呼ばれます。

近年、日本でも注目を集めている
リベラルアーツ・カレッジ(Liberal Arts College)とは、
いわゆる総合大学(University)と違って
この教養学のみを扱っている大学を指します。

一般的に留学に「適している」とされる
この教養学部・教養学には様々な世間でのイメージがあります。

  • 広く浅く、色んなコトを勉強できるよ!
  • 学部の垣根を超えて、自分の興味を探れるよ!
  • 実は、数多くの就職先が用意されているよ!

昨年6月にこの学部に専攻を変えた筆者が
今まさに身をもって体験してきている事ですが、
これらの噂は「半分ホント・半分ウソ」です。

今回の記事は、実際にアメリカの大学にて
教養学部に専攻変更・そして専攻して
初めて分かった事例や現実も含めての
3つのメリット3つのデメリット
紹介させていただきます。

それでは、どうぞ。

メリット① 学部・学科に縛られずまさに「好きなコト」を勉強できる。

一言で表せば、教養学部は
学部がないことが学部」です。

つまり、理系や文系・専門分野といった
バリアや垣根を飛び越えて
勉強したい」ことは何でも勉強できます。

これが、教養学部最大の特徴かつ特長です。

例えば筆者の場合で言うと、
ライター・マスコミに興味があったので
ジャーナリズムの授業を取ってみたり
人事マネジメントなんて教科をやったり、
時にはスペイン語なんて事もやってみました。
まあ8割方興味本位なんだけど

1・2年次は一般教養、
そして3・4年次は専門科目で
履修の大半が埋め尽くされてしまう他学部では
こういった「遊び」は中々できません

そして、アメリカの大学生は一般的には
「3年次には特定の専攻に絞る」ことを
推薦され、大半は学部変更するのですが
別に教養学部のままで卒業する分には構いません。

もちろん、何かを勉強している際に
「これをもっと専門的にやりたい!」と思えば
その学部に専攻を変更すればよいのです。

 

メリット② 単位の移行に強い。

「何でも学べる」というその体質上、
他大学からの編入単位にとても寛容です。

他の学部だとどうしても専門科目が多かったり
設備や研究内容の違いであったりで
編入単位が認められない…という事故も
少なからずありますが、教養学部ではそうはありません。

かくいう筆者自身が、
編入前の短大で履修していた授業の
内容・時間数共に100%移行に成功しています。
ハワイ⇒ミシシッピ。凄い移動だけどよくやったよね

また、他と比べると必修科目の数が少なく
またその枠組みに応用が効きやすいのも
教養学部の特長の一つなので、
大学編入の際はうまく活用しましょう。

 

メリット③ オンラインで受講可能なクラスが多い。

厳密に言えば、
オンライン受講可能なクラスが多い専攻」と
そうでない専攻」が存在するのですが、
教養学部はそれら両方を参照できるがために
オンライン受講の恩恵をフルに受けられます。
例えば理科系は、ラボ研究が多いため少ない

例えばここUSMでは、
なんと100%オンラインで学士・修士号課程が履修可能という
なんとも凄いことをやっています。
※取れる学科は数に限りがあります

まあ、留学生は
○○%のクラスはキャンパス内で取ってね
という規定があるのが普通なので一筋縄ではいきませんが、
選択肢が増えるのはありがたいですよね。
これを破ると色々面倒なのでご留意を

ちなみに、オンラインクラス受講において
特に注意しておきたいのがテストの有無。

中間や学期末等、テストがある場合
テスト受験はキャンパスでしなければならない
場合が多いので、お見知りおきを。
オンラインならカンニングし放題だからね、仕方ないね

まあ、裏を返せば
ペーパーやワークのメール提出といった
テストを課さないクラスであれば
やろうと思えば帰国中とかでも履修可能です。
まさに今夏、筆者がやろうとしていること

 

デメリット① 言うほど、「浅く」はない。

さて、ここからがデメリットの話。
そして冒頭で触れた「ウソ」についてです。

教養学部・リベラルアーツについて
広く浅く学ぶ」というイメージがありますが、
実態は「広く深く学ぶ」です。

というのも、教養学部の3・4年次には
300~400番台といったいわゆる上級クラスも必須科目に入るので
いつまでも遊んではいられません。

つまり、「何でも学べる」のは事実ですが
自身がいざ勉強することについては
とことん突き詰めて励む必要があります。

これが、教養学部の実際の姿です。

いわゆるリベラルアーツの歴史的根源を辿ってみると
何にでも広く精通した知識人を養成すること
この学部の目的なので、これは宿命。
古代ローマの教育システムに遡る

そのため、教養学部だからといって
簡単なクラスをいっぱい取ればいいんだろ!
という安直な考えで留学してしまうと、
ホントに大目玉を食らいます。気を付けましょう。

 

デメリット② 「アレもコレも」とやり過ぎると卒業しづらくなる。

これは、先ほどの話と繋がります。

教養学部の卒業に必要となる
一定数の上級クラスを履修する為には、
その科目の基礎クラス履修が必須となります。
いわゆる「Prerequisite」

その為、いざ3・4年次になって
「何か上級クラスを取らなきゃ!」となっても
予め基礎クラスの履修・単位取得をしておかないと
その分足踏みとなってしまいます。
余計な時間・遠回りになってしまう

ぶっちゃけの話をしてしまいますと、
筆者自身の留学生活が
「ハワイ2年」+「ミシシッピ3年」の推定5年かかってしまうとみられる
原因の半分はコレです。
残りの半分は短大で心理学とかサボってたから

つまりは、アレコレと手を出し過ぎた挙句
どれもしっかりとこなす・極める事が出来ず
卒業も延びるないしできない…という
事態が起こり得るのが、教養学部です。

そのため、教養学部専攻においては
自分の中で「この分野とこの分野だ!」という
いくつかの軸を決めておく必要があります。

1年次からいきなり決める必要はありませんが、
2・3年と進むにつれちゃんと計画しないと
筆者の様になります。気を付けましょう。
まあ筆者は最初からこの学部じゃなかったから(言い訳)

 

デメリット③ 「では、何を学んだのか?」を自分で考える必要がある。

教養学部、という言葉を聞いた時
で?つまり何を勉強したの?」と
お思いの方は多いのではないでしょうか。

これは、世界共通の教養学部の宿命です。

何かしらの専門職を目指す専攻なら
○○の研究に打ち込みました!」とか
○○の執筆に精力こめて取り組みました」とか
自然と言えるのですが、教養学部ではこうはいきません。

その「頑張ってきたこと」を
自分の意志で決断・実行しなければならないのが
教養学部という学問です。

「何でも学べる」という自由には責任が伴います。

現に筆者自身、就職活動開始の折に
履歴書レジュメといった類のものの
作成にとりかかり始めているのですが、
いわゆるこの「自己PR」が一番困ります

つまり、留学生活に対する意義や目標を
自分の意志でハッキリ作れる人」にとっては
教養学部とは世界を大いに広げる手段です
少なくとも筆者のようなニートではない

 

おわりに

何でも学べる自由と責任がある
という他学科にない特徴を持つ教養学部・リベラルアーツ。

海外留学をいざ志す時、
専攻の選択肢の一つとして考えておいて
決して損はないのではないでしょうか。

留学生活と目標」に関しては
以下の記事でも詳しく解説しています。

そこの若いの!『英語を使う仕事に就きたい』で海外留学するのはやめとけ!

『どうにかなるさ』ってなんとなく留学先の専攻を決めてる君!後からヤバいことになるぞ

ではでは、今回はこんなところで。
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。
ご意見ご質問等あれば、「お問い合わせ」またはコメントまで。

…筆者、透佳(スミカ)
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