「リーディングは早合点をしないこと」experienced。

ノンフィクション – experienced

「同じ言葉で大違い…って意味だと、
やっぱり有名なのは助動詞だよね」

「そうだね。『微妙に似た』意味がいくつかあって、
文章毎にバラバラに理解しないといけない」

留学仲間の甲と乙は語り合っていた。

「例えばさ…canとかまさに最たるものじゃん?」

「うん。『〜できる』だけ覚えていないのは危険。
他にはIt can be.みたいな『〜しうる』と…
あぁ、You can take it.の『〜していい』も厳密には別か」

「そうだね。
確か厳密に言うと…可能・潜在的な可能・許可」

「一緒じゃん!って言いたくなる気持ちは分かるし、
現に私もそう思っている節がある笑」

ある種、英語で最も難しい要素の一つではなかろうか。

「あとは…wouldとか…」

「あぁ、もうそういうのやめて甲笑。
ただでさえ意味が多いのに、過去形なんて持ち出したら…」

助動詞の過去形は単なる「過去形」ではないからだ。

「まあまあ笑。
でも確かに、過去形の助動詞は
現在形の助動詞に比べて『弱まる』『控えめになる』
なんてルール、本当に誰が決めやがったんだって感じ」

「全くだよ」

「特に助動詞はさ、英語学習の中でも
『分かっているつもりで分かっていない』筆頭じゃないかな。
中〜上級者の中でも、全部正確に言える人はほとんどいないと思う」

あとはmayとかshouldとかmustとかだ。

「でも乙、たしかこういう愚痴を前にしたら
それを聞いてた教授が面白い話してくれてさ」

「ほう、何?」

「助動詞には『共通のコア・核』があるって」

コアイメージ…中核となる不変のイメージ。

「あぁ…
『外国人はこういう感覚です!』みたいなのを
文言にしたやつか」

「そうそう。
で、その教授は
『canは’potential’だぞ』って教えてくれたの…」

「つまり…潜在的な、か」

「俺はそれでなんとか理解が深まった」

こういうのこそ教科書に書いてほしい。

 

…筆者、スミカ(Rick)

「リーディングは早合点をしないこと。」

【追伸】
日本語でも英語でも同じだが、
「一つの言葉には一つの意味しかない」と思わない方がいい。
人の書く文章はあいにくそれほど単純ではない。

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