履修科目数を増やすというのは、
例えば今まではその塾で数学・英語の2科目の授業で学んでいたのを
国語を増やして3科目にしたりすることだ。
この履修科目数だが、基本的に増えると対応が悪くなる。
誤読してもらいたくないが、良くなるのではなく悪くなるのだ。
塾側の対応がおざなりになったり、授業の質が落ちたりする。
「どうして勉強熱心な子に対して対応が悪くなるの?」
と思われるかもしれないが、これには理由がある。
率直に申し上げると、舐められるからだ。
もう少し詳細に言えば、
わざわざ科目数を増やすぐらいだから、もうウチを辞めることはないと思われるからだ。
講師が自覚しているかどうかは別にして、
「もうこの子は塾のファンだから、ちょっと適当でも大丈夫だな」と判定される。
これは全てにおいて共通することだが、
「この人は絶対いなくならないな」という人は舐められる。
絶対いなくならないのだから、多少対応を省いて
いなくなるかもしれない人への対応をより手厚くしてしまう。
悲しいかな、
「この人は絶対にいなくならないな」
という人にはつい甘えて態度が悪くなってしまうのが人間なのだ。
家族関係、友達関係、恋愛関係、夫婦関係、仕事関係…全てそうである。
だからこそ、その塾がどれだけ気に入っていようと
「何かあったら塾を変えます」
というのを態度で示し続けることは極めて大切である。
例えば、数学と英語はこの塾だけど国語は別の塾にしてみる。
(複数塾の同時通いは実は割とよくある話である)
例えば、年度末の面談に「塾を変えてもいいのかな…」とジャブを打ってみる。
例えば、テストの結果が悪かったら「退会を考えていて…」と相談してみる。
これは私自身も見てきたが、
「退会」「別の塾」という言葉が出た途端に塾側の対応がガラリと変わることも珍しくない。
それこそ「当たりの講師」が出てきて必死に対応してくることもある。
もちろん、受験学年(3年生)になった時に
「公立志望だから少し科目を増やさないとな」といった
自然なタイミングでの履修追加はあるだろう。
(これに関して裏話をお伝えすると、
中3は年度初めは辞められやすいから対応が丁寧だが
年度が進むにつれて辞めづらくなると対応レベルが下がっていくことが多い)
ただ、年度の途中で急に泣きつくように授業を増やしてしまうと
塾側をつけ上がらせてしまう可能性があることは知っておこう。
…筆者、透佳(スミカ)
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