Learning:偏差値を上げるには、穴場の時期を狙うこと。

親御さんには絶対に教えない学習塾のホンネ

塾に通う以上、

「偏差値に全く興味がありません」という子供はいない。

それは通わせる側である親御さんも同じである。

私が親御さんとの電話や面談をする際にも、

明白に気にするか、遠回しに気にするかは人によりけりとして

もれなく全員

「今、自分の子がどれくらいの立ち位置にいるのか」

に興味津々だったものだ。

さて、偏差値アップの方法については

ネット検索、書籍、動画、リアル授業…等々

ありとあらゆるところにその方法がいくらでも掲載されている。

ぜひそれらの情報も参考にしていただきたい。

が、ここではそれらのどれにも載っていないかつ

ほぼ確実に全員に通用する方法を伝授したい。

それがこの「穴場の時期を狙うこと」だ。

結論から言ってしまうと、

他の同級生が頑張っていない時に自分一人頑張ることである。

そもそも偏差値とは、

俗に言うと「平均点からどれくらい離れているか」を表すものだ。

例えば同じ100点を取るにしても、

平均点が80点のなかで100点を取るよりも

平均点が50点のなかで100点を取る方が偏差値は高くなる。

また、偏差値の計算には標準偏差という数値も使う。

これは要は

「平均すると、各生徒が平均点から○点離れている」というものだ。

(全て計算すると少し長いからここでは詳細は割愛する)

標準偏差は計算式の中で「割る数」として使うから、

偏差値が大きくなるためにはその数は小さい方がいい。

(同じ数字を10で割るのと20で割るのとでは、

後者の方が出てくる数字が小さくなる=偏差値が下がる)

標準偏差の値が小さくなるためには、

より多くの生徒が「平均点近辺」に集まる必要がある。

(例えば50点が10人いる平均点50点よりも、

25点が3人、50点が4人、75点が3人いる平均点50点の方が

標準偏差の値は大きくなる)

ここから、偏差値アップに必要な3つの要素が浮かび上がってくる。

  1. 全体の平均点が低いこと
  2. 皆の点数が同じくらいであること
    (大きな差がつきづらい)
  3. 上2つを満たした上で、自分一人ができるだけ平均点から離れたかつ高い点数を取ること

「そんなの理想論だ」という声が聞こえてきそうだ。

確かに、大学受験においてはこのルールは通用しない。

高校三年間において

全体の点数が総じて低い・差がつかない状態など皆無だからだ。

だが、こと高校受験においてはその穴場が存在する。

それは特に中1の間、ついで中2の間だ。

もっと言えば中1スタート・中学生になりたての時期だ。

なぜなら特に中学1年生、そして2年生という時期は

「勉強が一番大事」という生徒がかなりの少数派だからだ。

「本当?」という声もありそうだが、

これは私も塾講師としてさりげなく生徒から一次情報を得ているから間違いない。

彼ら・彼女らにとって大事なのは

部活・遊び・交友関係の3つであり、そこから「少し」離れて勉強であった。

中1・中2という時期から塾に通う程度のリテラシーはあるから

勉強の優先度は流石に「グッと」離れて…というほどでもなかったが、

何か他に優先するべきことがあって、その上で勉強をやっている

というのが塾に通う生徒の過半数だった。

通っていてこうだということは、

塾に通っていない生徒はもっと勉強の優先度が下がるはずだ。

かつ、中1・中2のこの時期から難しい内容は数える程しかやらない。

つまり中3と比べると差がつきづらいから、

先述の標準偏差の値も小さくなる。

換言すれば、

中1・中2のこの時期に勉強を第一優先にすれば簡単に突き抜けることができる。

そこまで勉強に必死こいている子はほとんどいないからだ。

「でも、それはあくまでも中1・中2の頃の話で

中3になると結局追いつかれるんじゃないんですか?」

安心して欲しい。

ただでさえ無数の誘惑があるなかで

一人孤独にコツコツと勉強第一で頑張ってこれた精神力のある生徒は、

中3になってもそのまま突き抜け続けることができる。

中3スタート時点の偏差値が既に高く、

かつこれまでのペースを淡々と維持できるということは

結果(偏差値)を出し続けるための勉強法を既に心得ているということだから

上がる・キープする要素はあっても下がる要素はない。

中3で頑張る予定の半分でもいいから

中1の頃から継続して頑張っていると、

中3になって初めてアクセルを踏むよりも格段に報われやすい。

換言すれば、中3で高校受験をするのに

中3になって初めて慌てているようではもう遅いということだ。

 

…筆者、透佳(スミカ)

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