その塾にゆとりがあるかどうかは極めて大切だ。
(極度に忙しくなっていないか、と言い換えることもできる)
これはどの業種・業界においてもそうだが
ゆとりがない仕事はミスが多くなり、また質も低くなる。
また、ゆとりがない塾はこれ以上忙しくされることを一番嫌がるから
例えば生徒が授業時間外に質問をしに来た時に
「うわっ…」と露骨に嫌な顔をしてしまったりする。
お金を払ってサービスを利用する生徒の側からすれば、
そんなゆとりがない塾はぜひ避けたいところだ。
それを判定する際に便利なバロメーターとして機能するのが、このテスト対策なのだ。
生徒が普段通う学校の定期試験の対策として行われる特別授業のことだ。
「我々は地元の学校のテスト分析・対策は万全ですよ」と謳う塾は多い。
現にほとんどの塾が「定期試験対策授業」を開講していて、
普段通塾していない生徒(いわゆる新規)向けにも開放していることが大半だ。
だが、塾講師からしてみると
この「テスト対策の授業」というのはすこぶる手間なのだ。
例えば地元校のテストの出題傾向を分析し、
そこから「どんな問題が出るか」を予想し、
その予想をもとに「予想問題」を作成、生徒に配れる状態に仕上げる。
授業内ではその問題を丁寧に解説し、質問にも答える。
ちゃんとやるとなると、通常授業かないしそれ以上に大変な手間なのだ。
私が一次情報で知っているとある塾は実際にここまでやっていたが、
現場の講師たちは極めて大変そうだったものだ。
彼ら・彼女らは
「普段の授業準備や雑務に加えてテスト対策が来るからもう大変」
と口を揃えていた。
換言すれば
普段から業務に忙殺されている場合は、
その上のテスト対策まで手が回らない。
そんなところまでいちいちやっていられないからだ。
その結果、出来合のものでなんとかごまかそうとする。
上に挙げたのはかなり丁寧にやっている方であり、実際には
- 既製品の「テスト対策問題集」を渡して終わり
- 既製品の「テストの単元予想問題」を解かせる
- 生徒から回収した「去年学校が出したテスト(過去問)」をやらせる
…など、やっているポーズこそ見せているものの
生徒には見えづらい・ズルい手の抜き方をしている塾は少なくない。
なまじ通常の授業とは別枠で開催する上に
「テスト対策授業」の大半は追加料金なし(=無料)であるが故に、
手を抜こうと思えばどれだけでも手が抜けてしまうというのが正直なところなのだ。
だからこそ、
- 普段の業務にゆとりはあるか(=テスト対策もしっかり作り込んでいるか)
- 生徒のテストの点数に対してコミットしているか(=「あとは各自勉強しておいてね」ではなく、しっかり塾として責任を持って見ているか)
- 手を抜いてはいけないところで抜いてはいないか
これら全てが一発で分かるのが、テスト対策の授業である。
塾に通わせる以上、定期テストの点数がどうでもいいという子は一人もいない。
「学校の定期テストの対策は、何かちゃんとやってくれるんですか?」
これは塾選びの際に聞いて間違いない質問である。
…筆者、透佳(スミカ)
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