「無料体験授業 随時受付中!」
「塾選びで迷ったらまずは体験授業へ!」
この類の訴求は学習塾のみならず、
「無料サンプル」「一日体験」「初回料金」
と名前を変えてあらゆる業界に存在する。
この内例えば化粧品や健康食品などは、
実際の商品と同じものが「サンプルセット」として提供されるため
実際に買うかどうかの良い判断材料になってくれる。
だが、こと学習塾に関してはそれだけは避けた方がいい。
「体験授業」と「実際の授業」は実態が大きく異なることが少なくないからだ。
塾講師には当たりハズレがある、というのは先ほど申し上げた通りだ。
ありのままの真実をお伝えすると、
体験授業は「当たり」の講師が担当する確率が高い。
塾経営として考えても、
そこに労力を注いで一番良い印象を持ってもらい
入会してお金を落としてくれないと何も始まらないからだ。
そんなところで補欠の先輩に担当されては、
印象が悪くなって逃げられるから売上が立たなくなってしまう。
そこの教室長がよほどバカでない限りは、
その教室内でもとびっきり優秀な先生を選りすぐって
「体験授業担当」としてその先生をあてがうのが常識だ。
それに対して、普段の授業は「ハズレ」を引く確率が高まる。
「当たり」の講師は体験授業に優先して入るから、当然といえば当然だ。
ここで生徒側が
「体験授業をやってくれた、あの先生がいいんですけど…」
と要望を入れたところで、
「〇〇先生はすでに埋まってしまっていて…」
と言われて逃げられてしまう。
(ここだけの話、実際に埋まっているかどうかは別問題である)
これも他業界からすれば信じられないような現象である。
つまるところ、
体験授業そのままのイメージで入ると裏切られることが多い
ということがお分かりいただけただろう。
これを防ぐ方法は一つしかない。
「体験授業」ではなく、「普段の授業」を見せてもらうのだ。
集団授業であればこれは割と容易い。
「普段されている授業を教室の後ろから見学してみたいんです」
と言って嫌な顔をする塾はいない。
(万が一いたら即刻選択肢から外すべきだ)
個別指導になるとちと厳しいが、
「もし私が入会したとして、実際に担当になりそうな先生にお願いしたい」
と真剣にお願いすればまず断られることはない。
そこで、普段の授業を担当する講師が行うありのままの授業を見せてもらう。
それで「まあこれなら」と思えば入会を考えればいいし、
「コイツはちょっといいかな」と思えば丁寧に挨拶して帰ってくればいい。
とりわけ学習塾は、一番綺麗なところだけを見て選ぶのではなく
「実際、自分の子はどんな扱いを受けることになるか」をよく見て選ぼう。
…筆者、透佳(スミカ)
コメント