ボールペン。

誠にいやらしい話だが、サービス業の当たり外れを見極める一要素・一基準としてお客様に差し出すボールペンにどれだけお金をかけているかは相当使える。

安物っぽくなくかつ書きやすいものであれば「細かいところまで気が効くのだな」とお客様は感じる。

一本100円以下のボールペンを平気な顔してお客様に出すようなヤツはお客様を人間だと思っていない。

【追伸】
ちなみにこれは実話だが、

私の家族が某英会話教室に体験レッスンを受けにいったことがあった。

英会話教室といえば最低でも単価が1万円単位であり、

近頃隆盛の短期集中型・コーチング型となれば一気に桁が増える。

その時行ったのもその手の教室の一つだったのだが、

数十万の商品をセールストークしているのに

アンケートで出されたビックボールペン(しかもキャップつけっぱなし)には

呆れを通り越して笑いが出てしまった、と私に教えてくれた。

「書ければ同じじゃん」という話をしているのではない。

「100円でも十分文字は書けます」という問題でもない。

これから数十万の商品を売ろうとしているのに、

唯一お客様に差し出す道具が安物オブ安物ということは

そのお客様を心の底から舐めきっているということである。

ここに議論の余地はない。

普段より奮発して一杯1,500円のコーヒーを頼んだのに、

注がれたカップが今にも漏れそうなペラペラの紙コップだったら誰だって怒るだろう。

私が言っているのはそういうことである。

【追伸の追伸】
これは今でも不思議に思っているのだが、

学習塾業界には文房具に死ぬほど無頓着な人が少なくない。

ゼブラのサラサグリップですら高級品扱いされるレベルであり、

経費削減という名のもとに

「これは絶対に100均だよね」

というボールペンを常用している講師をこれまで複数見てきた。

それを自分たちだけが使うのなら勝手だ。

だが問題はそれをお客様(塾の場合は保護者)に差し出すことである。

「学習塾においてボールペンを差し出す機会などないのでは?」

と思われるかもしれない。

確実に差し出す機会が一度だけある。

それが入会(つまり最初)のタイミングである。

ここで自らの胸ポケットに突っ込まれた

いかにも安そうでしかもチョークの粉やら何やらが付着した

率直に申し上げて触りたくないペンを真顔で差し出す講師は多い。

特に男性講師に多いのだが、

自分がお客様としてそれをやられても特に気にならないのだ。

だからそれを平気でやらかしてしまう。

こういうのを見るたびに、

他業界と比べていかに塾業界は感性が遅れているのかが見てとれたものだ。

 

筆者、透佳(スミカ)

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