海外留学を決心するのにも人ごとに様々な背景・物語があるが
留学先、つまり具体的にどの大学に行くのかを選ぶ際にも人ごとに様々なプロセスがある。
海外留学をする、と決意してから留学先を決める人もいれば
「○○大学に行きたい」というのが先にあってそれが結果的に留学になるという人もいる。
このどちらがより良くて、どちらがより悪いかという話をするつもりはない。
両者ともに成功例があるし、両者ともに失敗例がある。
では、海外留学の成功と失敗を分けるものは何か。
様々挙げられると思うが、ここでは「留学先を自分で決断したか否か」を挙げたい。
より厳密に言えば、
「自分は○○に行きたいから」
「自分は○○がしたいから」という理由があって留学先を決めたのか
「○○がそこの大学に行っているから」
「○○が賛成してくれたから」という理由があって留学先を決めたのかの違いだ。
後者のような人なんているわけないだろう、と思ってはいけない。
少なくとも私の知る限り、留学先を選ぶ際に
「先輩もいるし同級生もいる」「親が賛成」ということであれば積極的に候補に入れて
「知っている人が誰もいない」「親が反対」ということであれば積極的に候補から外す人は少なくなかった。
一言でいうと、自分以外に頼れる人がいないのが怖いのである。
過半数の日本人留学生は現地で孤独になることに何よりも恐怖を覚えるし
放っておくとすぐに日本人同士で集まってしまうから無理はない。
だが、ここで本当に海外留学を実りあるものにしたければ
「誰も知っている人がいないから」
「誰も賛成してくれないから」という理由で諦めてはいけない。
むしろ積極的に検討するべきである。
そもそも海外留学は何のためにするのか。
日本では絶対にできない経験をして、日本では絶対にできない勉強をするためである。
そうして留学先を選んでいくと、
「ここはちょっと誰も行きそうにないな」
「ちょっとこれは賛成してくれそうにないな」
という留学先が候補に挙がってしまうことがある。
だが、誰も行きそうにない・ウケが悪いということは
その大学にあなたが行けば少なくともオンリーワンにはなれる。
オンリーワンになれば必ず、他の誰もやっていない勉強ができるし
例えば就活の面接でも他の誰も話さないような話ができる。
ついでに自分の力だけで生きていく体験もできる。
孤独になって自分の力で生きていくメリットはこれまで多く述べてきた。
「〜なのに行きたい」と思ったら、それはぜひ行くべきなのだ。
例えばあなたが、留学先をA大学とB大学とで迷っているとしよう。
知り合いも豊富で、友達・同級生も進むA大学。
知り合いがいなくて、誰も友達や同級生の行かないB大学。
ここで気が付いて欲しいのは、A大学の方には
「知り合いが多いから安心」「家も賛成してくれそう」
という下駄が履かされているということだ。
だが実は知り合いなんていなくてもどうってことないという話はこれまでしてきたし、
究極奨学金を満額で確保してしまえば家族だって敵に回そうが問題ない。
それらの下駄は除いて考えることができる。
除いてみるとどうか。
あなたが本当に行きたいと思っているのはB大学の方だ。
より厳密に言えば、
知り合いが少ないのに、家族のウケも悪いかもしれないのに
それでもあなたが「行きたい!」という気持ちが強いということである。
そこでしかできない勉強があるのか。
そこでしかできない体験があるのか。
何かしらの「オンリーワン」をそこに見出しているのだ。
最初から一切迷わないのならともかく、
迷っているということは、ぜひ行くべきなのだ。
これは海外留学のみならず人生全てにおいて言えることだが、
「〜だから」で人生を決めた人に比べて
「〜なのに」で人生を決めた人は、強い。
自分なりの確固たるポリシーをもって、下駄を除いて決断することができるからだ。
海外留学は人生に何度もできる体験ではない。
どうせ決断するのなら「〜だから」ではなく、「〜なのに」を選んだ方が人生は楽しい。
…筆者、透佳(スミカ)
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