就活において自己分析が大切なのはいうまでもないだろう。
「自分はどういうタイプの人間なのか」
「自分が何が好きで、何が嫌いなのか」
「自分は何が得意で、何が苦手なのか」
というのを知っているのと知らないのとでは出る結果が違う。
就活に臨むにおいて自己分析は正確であればあるほど良い。
その自己分析の精度を上げる第一歩が、孤独になることなのだ。
なぜなら群れていると自己分析の精度が下がるからだ。
よく
「自分の強みは自分自身で判別するのではなく、他人に教えてもらうものだ」
という話をする人がいる。
確かにそれは間違っていない。
だがそれにはキャリアカウンセラーなど、
あなたと関連性の薄い客観的な他人の分析である必要がある。
だが実際にはどうだろうか。
先ほども少し触れたが、人は似たもの同士で群れる習性がある。
社交性がある人は社交性がある人同士で群れるし、
オタク気質のある人はオタク気質のある人同士で群れるし、
語学の得意な人は語学の得意な人同士で群れる。
そして何が起こるかというと、
例えば社交性のある人たちのグループでは社交性があることが当たり前だから
「あなたは社交性があるね」とわざわざ言われなくなる。
せっかくの強みを指摘してもらえなくなるのだ。
逆に、社交性のある人たちのグループは人の話を黙って聞くことが苦手であることが多いから
「そのグループの中で」比較的聞き上手というだけで
「あなたは人の話を聞くのが得意だね」と言われてしまう。
本来それほど強みではない部分を強みとして指摘されてしまうのだ。
これを避けるためにはできるだけ自分とは異なる性格の人と集まるべきだが、
実際には自分と異なる性格の人と集まるのは苦痛だからこうはいかない。
こうやって自分の強みに対しては
「え?そんなの当たり前でしょ?」と正しく認識できず、
逆にそのグループの中でちょっとできること(しかし世間的に見れば武器にならない)ことに限って
「自分は○○ができます」と自信たっぷりで語ってしまう人が誕生する。
自己分析がブレブレだから、これでは面接官からも
「この人は自分の本当の強みがまるで分かってないな」
という評価を下される。
群れていると、個人ごとの強みが分析しづらくなってしまうのだ。
これを避けるためには、基本単独行動に努めることだ。
単独行動を貫くと、自分の強みも弱みも隠せずにそのまま表に出る。
他人の力を借りられないから、ごまかせなくなるからだ。
「自分は人前で話すのは苦手だな」
「自分の中で客観的に考えるのは得意だな」
という、過小でも過大でもないありのままの自分の姿が浮かび上がる。
自己分析に筋が通っているから、これなら面接官からも
「この人は等身大の自分が分かっているな」
という評価をしてもらえる。
「でもそれはあくまでも自己分析だから間違っているかもしれないのでは?」
という懸念があるかもしれないがそれは心配無用だ。
「自分はこういう人間だ」という仮説を立てた上で、
そこで初めてキャリアカウンセラーなどの人に一対一で聞きにいけばいいのだ。
(できれば複数のカウンセラーに聞くのが望ましい)
やはり人間は自分への評価は甘くなってしまうものだから、
そうやって他者の力も借りながら評価を矯正していくのだ。
ここで大切なことは、日頃群れているような仲の良い人の意見を仰がないことだ。
日頃群れているということは似たもの同士だから、あなたの客観的評価は下せない。
あくまでも自分一人になった上で、関係のない他人の意見を仰ぐから意味があるのだ。
…筆者、透佳(スミカ)
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