私が周囲の留学生の様子を見てきてとりわけ不思議だったことがあった。
それは留学生の中に一定数、母国と電話するのが大好きな人がいたということだ。
昔と違って今はLINEやSkype・Zoom等々で
留学するような場所からなら24時間無料でいつでも日本と国際通話できるようになった。
それでたまに息抜きで電話するならまだしも、本当に毎日のように電話しているのだ。
時差なんてお構いなしなのはもちろんのこと、
授業の合間だろうが放課後だろうが休日だろうがとにかく電話をしたがるのだ。
当然だが、電話をしている最中は他のことは何もできない。
(だいたいビデオ通話だったりするから尚更である)
せっかく留学先でそこら中に学びの機会が転がっているにも関わらず、
毎日部屋に何時間もこもって日本に住んでいる人と電話する。
私にはこの意味が全くもって理解できなかったのだ。
確かに日本の家族や友人が恋しくなるのは分かる。
「100%一切を断絶しろ」とは私も言わない。
だが、せっかく一人で集中して何かに取り組んだり
日本にいては絶対に交流できない人と交流できる場がすぐそこにあるのに
日本にいてもできることを相変わらずだらだらと続けるのは異常ではなかろうか。
私が言っているのはそういうことである。
決してタダで留学しているわけではないのだ。
その上大量の時間と手間を払っている。
そしてこれはあまり大きな声では言えないが、
私が知る限りでは日本と電話しまくっている人に限って成績が悪かった。
時間管理が下手かつ変にお人好しであり、
宿題がたまっていても電話を自分から切ることができない。
向こう(日本)からすれば
「大学生=ヒマで時間がある」というのが常識だから、向こうも止めない。
こうやって時間が消えていき、勉強する時間がなくなる。
勉強する時間がなくなるから、宿題をこなしたりテスト勉強をしたりできなくなる。
宿題をこなしたりテスト勉強をしたりできなくなるから、当然成績が落ちる。
成績が落ちるから授業がつまらなくなって、ますます電話に精を出すようになる。
この負のスパイラルから抜け出す方法は一つしかない。
いきなりゼロにしろとは言わないが、電話する時間を決めることだ。
その上で、「この時間は絶対に勉強する」と決断して実行することだ。
「そうは言っても、家族や友達に『ちょっと電話できない』と言う勇気がありません!」
という声が聞こえてきそうだ。
私に言わせれば、
ダラダラと電話し続けて成績を落とし続ける方がよほど勇気が求められると思うのだが。
海外留学について少しでも調べていれば分かるが、
海外の大学は成績が著しく悪いと卒業できないどころか退学させられるようになっている。
退学になれば自分自身の将来はもちろん、周囲にも多大な影響を与える。
それでもなお電話していたいのなら、もう好きにすればいいだろう。
…筆者、透佳(スミカ)
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