これは少なくとも日本人・アメリカ人に共通なのだが、
友達同士で集まって勉強するのが大好きな連中というのが存在する。
同じクラスを取っているクラスメイトで
授業内容の確認や宿題の協力などをしたいのならまだ分かる。
だが、私がとりわけ不思議だったのは
いわゆる「いつもの仲良しグループ」で
毎日のように図書館にゾロゾロ現れる集団だった。
彼ら・彼女らが何をやっているかこっそり見ていると、特に何もやっていない。
机の上にパソコンやノート・教科書が出ていてその気分にはなっているが
実際には小声でお喋りしつつ手元のスマホをいじっているだけだった。
もしあなたが正面や真隣に友達がいても
それをガン無視して一人集中できる精神力の持ち主なら止めないが、
そうでないのならこれは推奨されない。
そもそも人間は、周りに「近しい人」がいると集中力が下がるようになっている。
例えばカフェや勉強スペースのような
「知らない人」「不特定多数」とすれ違うぐらいであれば
別に言葉を交わす必要もないわけだから、ずっと集中していられる。
ところがこれが友達・知り合いとなると話は別だ。
よほどのことがない限りはお喋りが始まってしまうからだ。
とりわけ、日本人の友達となると
普段の英語漬け状態から解放された気分になるのか
大声で思いっきり日本語で話していた同級生も少なくなかった。
日本語か英語かはここでは大きな問題ではない。
その結果勉強が手につかなくなる、というのが問題なのだ。
だが現実には、校舎内など公共の場所でパソコンを開いていれば
必ず誰かとすれちがって話すことになるものだ。
つまり解決策は一つであり、
人目につかない場所・隠れ家的な場所を発掘してそこにこもることだ。
これならば勉強を途中で遮られる心配もないし、
そもそも一緒に話す人がいないのだから喋る心配もない。
私はこれまで出会ってきた優秀な留学生は、
図書館の「Silent Space(話してはいけないというルールがある無音空間のこと)」を
一人で集中する場所として確保している人もいた。
留学先の寮部屋や自部屋の鍵を完全に閉めて、
確実に一人になれる環境で没頭している人もいた。
また、日本語では缶詰という言葉になるのだろうが
大事なペーパー・エッセイを仕上げるために
わざわざ一晩近所のモーテルに泊まって作業する人もいた。
これは私も真似したことがあるが、確かにこれは「無敵」だった。
なんせ一部屋まるまる、絶対に誰の妨害も入らないのだ。
その上自部屋でもないから、余計なモノや誘惑が一切ない。
極め付けに普段寝ている寮部屋のベッドの倍のサイズはあるベッドで寝られるというのだから
「ここぞ」という時に50ドル出すのはアリだと思ったものだ。
確かに、絶対に隣に(物理的に)人が必要な時もあるだろう。
チューターに英作文の添削をしてもらう場合などはまさにそうだ。
だがそうではない時は、
周りの音をシャットアウトしてしまう環境を作った方が遥かに集中できる。
「つい喋ってしまう」という人ほどこれはオススメだ。
…筆者、透佳(スミカ)
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