特に塾に通いたて・これから新しく通う生徒は
「これまではやる気がなかったので勉強してきませんでした」
と言ってくることが多いです。
この子は、「やる気」という言葉に逃げています。
「勉強するのが嫌だから勉強してきませんでした」と正直に言えないのです。
そう正直に言ってくれた方が遥かに良いぐらいですが、
私の知る限りそう言ってくれる子は皆無です。
そもそも、やる気は日によってあったりなかったりするものです。
「今日はなんかやる気があるな」という日もあれば、
「今日はどうもやる気が起きないな」という日もあります。
ましてや今の子は「やる気」という言葉を言い訳にします。
まるで「本当は勉強したいのに、やる気がそれを許してくれません」と言わんばかりです。
そういう子に対して、私は決まってこう答えます。
「やる気はないよりはあった方がいいけど、ない前提で考えた方がいい」
ということです。
これは団体スポーツでチーム作りをする時と同じです。
「やる気がある時は活躍するけど、やる気がない時は活躍しない」
というのは監督にとって極めて扱いづらい選手です。
本人がやる気がないだけならまだしても、
「やる気がない時」に他の選手にも悪影響を与えます。
だからこういう選手は干されます。
それよりも、
「やる気があってもなくても一定以上いつも活躍してくれる人」
の方が遥かに重宝されます。
上がり下がりが少ないので、安定して・安心して戦力としてカウントできます。
これと同じです。
やる気はある分には別に構いません。
ですが、「今日はやる気がないのでやりません」
というのはやる気に振り回されすぎです。
「やる気」という不確定要素に人生の主導権を握られてしまっているのです。
やる気に依存しすぎです。
そうではなく、「やる気」という要素は一旦脇においておいて
黙ってスッと始められるかどうかがその子の継続力・ひいては学力を決めます。
これができる生徒は、
たとえどんな日でも一定以上頑張れますから毎日何かしらの成長があります。
対してこれができない生徒は、
完全成果ゼロの日が一年の半分弱発生していまいます。
前者の子と後者の子が同じ結果になるわけがありません。
もちろん前者の方が上です。
もし現時点であなたが後者であり、かつ本気で変わりたいと思っているのならコツは一つです。
やる気が出るのを待たないことです。
やる気を待たず、「とりあえず」とっとと始めてしまうことです。
ダメな子はこれができません。
「だって…」「今はちょっと…」と言い出します。
それを言っている限り、やる気は一生出てきません。
やる気というのは、やるための気ではなく「やると出てくる気」なのです。
不思議なことに、1分黙って続けると
「今更辞めるのは中途半端で気持ち悪いな」という感情が生まれます。
これが世間一般でやる気と呼ばれるものです。
黙ってスッとやれば、やる気は後からついてくるものなのです。
…筆者、透佳(スミカ)
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