高校入試は、「英語」で決まる。

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これは英語講師という職業柄で言っているのではない。

数学(算数)・国語は小学生からの積み重ねだし(=中学になってから乱高下したりキーになることは少ない)、理科・社会は正直暗記科目だから誰でもある程度どうにかなる。

となると、「中学1年生の時点で全員ゼロからスタート」になる英語こそが分水嶺になる。

【追伸】
「いいえ!やっぱり国語と数学が入試のキモです」

確かにそれはそれで正しい。

それら2科目で点数が取れなければお話にならないのは間違いない。

その上で、以下の事実をお伝えしたい。

少なくとも私が一次情報で知る限り、

小学6年生の時点で国語と算数が苦手だった子が中学になって得意になった例は一つもない。

「1」を「2」にするぐらいならどうにかなる。

「2」を「3」にしてきた例も複数見てきた。

だが、「1」を「4」にしたり「2」を「5」にするのは絶望的である。

これはあなた自身の学生生活を振り返ってみても同じだろう。

国語と数学。

この2科目だけは、「突然」得意になることは絶対にない。

(突然苦手になることはあるが)

小学校の頃から国語と算数が得意だった人は中学校でもやっぱり得意だし、

小学校の時点で絶望的だった人は中学校でもとんでもない点数を取ってしまう。

これを努力でどうにかしようとするならば、

文字通り血の滲むような努力をしないと無理だ。

よりストレートに事実を伝えよう。

国語と数学(算数)については、

「中学入学時点」の偏差値と「中学卒業時点」の偏差値はほぼ比例する。

もちろん、個別に見れば例外はあるだろうが

全体として見た場合はこのケースにあてはまる子の方が多い。

さて、英語の話だった。

「でも今は小学校でも英語があるから、それの出来も大切なのでは?」

そう言いたい気持ちは分かる。

だが、こと英語に関してはその法則が通用しない。

小学校での英語と中学校での英語とで、やっていることが違いすぎるからだ。

中学英語(高校入試)といえば、

あなたもよくご存知の通り「読み・書き」が中心だ。

英文をちゃんと読めるか。

英文をちゃんと書けるか。

とりわけペーパーテストである入試ではこれら2つが中心になる。

だが小学校の英語はどうか。

私は都内で勤めているから東京都の事情しか分からないが、

かなりの割合で「英会話」に偏っている、否偏りすぎているのが現状だ。

どのくらい偏っているかといえば、

「先生は英語で?」

と聞かれて

「teacher!」

と正しく言うことはできるが、それを正しく書くことはできない

という程度だ。

話せるが書けないのである。

これは読者の中に他道府県の小学校の先生がいたらぜひ教えてもらいたいが、

東京都ですらこれということは他は恐らくもっと酷い。

ECCジュニアの劣化版のような授業が全国の小学校で跋扈しているのだろうか。

こんな状態で中学英語に入るわけだから、

「スペルが覚えられない」

「きれいなアルファベットが書けない」

「文法のルールが全く覚えられない」

という現象が頻発することになる。

小学校の英語でそんなことはやっていないから当然と言えば当然だ。

冒頭で述べた

英語という科目は、中学1年生の時点で全員ゼロからスタートである

の意味がお分かりいただけただろうか。

つまり努力が一番報われやすい教科であり、

「中学生としてどれくらいちゃんと勉強してきたか」

が最も素直に偏差値に反映されるのが英語である。

突然伸びることもあるし、突然下がることもある。

だから入試は英語で決まるのだ。

 

…筆者、透佳(スミカ)

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