続いては宿題についてだ。
どんな学習塾にも授業毎に
「次の授業までにやってきてね」という宿題がある。
(念のため、宿題を出さない学習塾は存在意義がないから選択肢から外すべきだ)
学習塾が出す宿題とは、当たり前だが
「授業でやったことの定着・確認作業」として出すものである。
既にやったことの定着・確認なのに、
生徒が自力で全く分からない・手も足も出ないような質量のものを宿題として出してはいけない。
「そんなの当然だろ」と思うかもしれないが、
実際にはそうではない塾もあるから要注意だ。
今回大切なのは「質量」という部分である。
まず「質」に関していえば、
「授業の内容」と「宿題の内容」がきっちり繋がっているか必ず確認しよう。
塾の中には、授業でやっていない内容を宿題として課してしまう塾がある。
その理由は一つしかない。
その講師が、その宿題を解く生徒の気持ちになって考えていないのだ。
実際に私が知っているとある講師は、
「そんな問題、授業中に話しましたっけ?」
という問題を宿題として盛り込んでいた。
私は同業者として一回、
「なんでそんなことをするんですか?」
と聞いてみたことがある。
彼はこう答えた。
「分からない問題を解こうと考える時間こそ大切なんだよ!」
まさにこれは「既にできる人」の発想である。
当たり前だが講師は自分の担当科目に関して詳しいから、
つい「ちゃんとこう考えれば、誰でも自然に答えに辿り着くのにな…」
「どうしてコイツらはこんな初歩的な問題が解けないんだ…」
という発想になってしまう。
だが、現時点でできない人がウンウン唸るのは時間の無駄であり、
そういう子はさっさと模範解答と丁寧な解説を覚えることが必要なのだ。
また、この逆のパターンもあり
簡単すぎるというのもそれはそれで問題だ。
難しすぎても、簡単すぎてもいけない。
教わったことをもとにして
生徒が「頑張れば自力で解ける」というものを出すことが大切だ。
さて次に「量」の話だが、
単純に量を出せばいいという話ではないことぐらい誰でも分かるだろう。
適量というものがある。
だが、塾講師というものは自分の担当教科が得意かつ好きだから
つい「自分目線」で宿題の量を決めてしまう傾向が強い。
その結果、生徒にとってはとても多く負担に感じてしまう。
これだと特に勉強が苦手な子・演習に時間がかかる子は悲惨だ。
「え、こんなに!?」
と思っているところを、
「全然多くないだろ!やれ!」
と一蹴されてしまうのだから。
こういう講師に限って、
「宿題が分かりません!」
なんて言おうものなら
「なんで分からないんだよ!」
などど怒り出すから手に負えない。
これは学習塾を選ぶ際のポイントの一つでもあるが、
宿題を出すこと・ちゃんとチェック(答え合わせ)することは当然として
出す問題のレベルと量もきっちり考えている塾を選ぶべきだ。
宿題は大事だが、運用方法を間違えると全くの逆効果になるばかりでなく
もれなくその子が勉強大嫌いになってしまうのだから。
こればかりは講師に尋ねるだけではなく
実際の授業を体験させてもらったり
受講生の口コミを参照したりしなければならないだろうが、
もし事前に情報として知ることができれば大きな助けになる。
…筆者、透佳(スミカ)
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