「つまり、こういうことだよ」
こういう文章が書けるようになると、ライティング全体の質と量が大きく向上します。
先述のOREOにおいて間のクリームになるので、より論理性が増します。
また、露骨な文字数稼ぎと思われることなく自然に文字数をかさ増しすることができます。
そのための技術が、パラフレーズ(paraphrase)です。
自分の意見を「別の言葉で言い換える」のはもちろんのこと、
学術論文で不可欠な外部文献を引用する際、その内容と自分のライティングを結びつけるための
「こういうことが書いてあって、つまりこういうことですよ」という文献の説明・補完にも役立ちます。
パラフレーズの初歩は、全く同じ言葉を使わずに言い換えることです。
その際、意識すると便利なポイントが3つあります。
それが深さを変えること・難易度を変えること・視点を変えることです。
一つ目の深さを変えることは、文章を短くすることと長くすることとに分かれます。
例えば意見を書いた後に「一言で表すと…」というのは、立派なパラフレーズです。
「要はそういうことなのか!」と納得しやすい文章にすることができます。
また逆に、意見を書いた後に「詳細を話すと…」というのも、パラフレーズです。
「つまりそういう事情や意味があるんだな」と読者が文脈・話の流れを追いやすくなります。
次に難易度を変えることですが、これはほとんどの場合難易度を下げます。
ジャーナリストの池上彰さんが、以前著作の中でこのようなことを仰っていました。
「その事柄に初めて触れるような小学生にも理解できるような分かりやすい説明ができないということは、自分も本当は理解していないということ」
そのトピックを本当に理解して書いていれば、本質はたった一言に凝縮できます。
理由を書いたあとに、「要は〇〇です」と一言ズドン!と書ければ、説得力が増します。
そして最後に、視点を変えることです。
これはシンプルです。
「私たちにとって」、または「あなたにとって」といったフレーズを使います。
その上で、「私たちには実際にこういった影響がある」「あなたにはこういった効果がある」という文章の書き方をします。
これはマーケティングでもよく使われる手法です。
「あ、自分に関係あるな」と思った話は思わず聞き入ってしまうのが人間です。
そこを狙ってパラフレーズを入れるわけです。
これら、深さ・難易度・視点を変えるだけでパラフレーズは無限にできます。
こういった考え方を通じて、様々な人々の気持ちが分かるようになる効果もあります。
パラフレーズを媒体として、実に多くのことが学べるのです。
…筆者、透佳(スミカ)
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