「重要なところだけを読む」というのは、先述した通りです。
これを聞くとすぐに、
「サラッと読み飛ばすってことですね!」
と早合点する人が登場します。
ですが、「特定の部分しか読まない」と決めた時点でだいぶ飛ばし読みです。
それ以上飛ばしてしまうと、内容が頭に全く入らなくなります。
つまり、飛ばさない部分は全文・全単語しっかり読む必要があります。
ここで、リーディングの必須テクニックであるスラッシュリーディングの登場です。
チャンクリーディングと紹介している文献もあります。
これは、文章を意味の要素ごとに区切ることで、前から語順通りに読むための技術です。
通常、日本人は英文を前から読んだ後に、わざわざ戻って前半部分を読み直す習性があります。
日本語と英語とでは、語順が真逆だからです。
例文を挙げましょう。
日本語:
①私は/②野球を/③することが/④好きです。
英語:
①I / ④like / ③playing / ②baseball.
細かく例外を上げればキリがありませんが、基本ルールとして
日本語は動詞を最後に置き、情報(目的語)を先に示す言語です。
対して英語は、「主語+述語」を最初にズドンと示し、情報は後から付け足す発想です。
語順が全く違います。
全く違うのに、「日本語で考えながら・訳しながら読もう」と考えるとおかしくなるのです。
英語は「私は」の次に「好きだ」と動詞が来るのに、
「情報はなに?」と日本語のままで考えてしまうと混乱します。
しかもわざわざ戻るので、時間が通常の倍かかります。
発想を変えましょう。
「①私は/②野球を/③することが/④好きです」と読解するのではなく、英語の発想に合わせて
「①私は/④好きです/③することが/②野球を」
と、英語の語順のまま、日本語にする必要があります。
その動作をスムーズにするために、意味の要素ごとに細かく区切るのです。
そしてもう一つ、スラッシュリーディングとは「次に何が来るかを先読みしながら読む技術」です。
「私は好きです」と言われたらどうでしょうか。
「何が?」となるはずです。
「することが好きです」と言われたらどうでしょうか。
「何を?」となるはずです。
この感覚が極めて重要です。
次に来る情報を予測しながら、英語の語順のまま解釈していくのがスラッシュリーディングです。
これができるようになると、リーディングのスピードが倍になります。
大量のリーディングをこなすことになる海外留学ですから、習得しない手はありません。
…筆者、透佳(スミカ)
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