とりわけ中学受験・高校受験対策で教える講師にはこの傾向が強い。
率直に申し上げて、ハイレベルな子というのは多少説明が下手くそだろうと講師に魅力がなかろうと自分で勝手にぐんぐん理解・成長してしまう。
「私は上のレベルしか教えられません」というのは、「私は説明が下手でありかつ下のレベルの子の気持ちがまるで理解できません」と言っているのと同じ。
【追伸】
それこそ日本の頂点・東大の入試問題などの
「頭のいい生徒がウンウン考えてようやく解けそうな問題」
を誰にでも分かるように説明できるのはそれはそれで素晴らしい才能だ。
ここで私が言いたいのは、
「上のレベルも教えられる」というのと
「上のレベルしか教えられない」というのとではまるでお話が違うということだ。
確率で考えれば、偏差値が高い生徒というのは
人の力に頼らずともある程度自力でどうにかできる確率が高い。
(もちろん、優秀な生徒には優秀な生徒なりの悩みがありそれを解決する説明も必要だが)
それに対し、現時点で偏差値の低い子は
何かしらの形で人の助けが必要である確率が高い。
これは少し考えればすぐに分かるはずだ。
現時点で勉強が分からないから塾に通うというのは至極当たり前である。
そんな子に向けて塾講師が一番発していけない言葉は、
「なんでこんなのも分からないの?」
「基本レベルの問題だよ」
「中学の最初の方でこんなのやるじゃん」
という言葉である。
それが分からないから今こうしてお前に聞いてるんだろ、
という生徒側の気持ちがまるで理解できていないどころか
それを自分の立場からしか考えることができず叩き潰してしまう行為だ。
これは勉強のみならず全てに共通するが、
あなたにとって簡単なことが人にとっても同じように簡単だと思ってはいけない。
これは分かる人はすぐに分かるし、
分からない人には一生分からない。
そんなもんだよ。
…筆者、透佳(スミカ)
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