例えば答えがパッと見ても分からない問題があったとしましょう。
ここで私があなたにお伝えしたいことは、
10秒考えて答えが出てこなかったら、もうその場では出てこない可能性が極めて高い
ということです。
ウンウン唸った末にようやく答えを捻り出せることもありますが、確率が低すぎます。
塾講師は仕事柄、生徒が何か問題を解いているところを目の前で見ることが多いです。
そこで私は、できる子とできない子の差を分ける一つの要素を観察し続けてきました。
それは問題を解くスピードです。
できる子は一問一問でいちいちウンウン唸りません。
サッと解いて、サッと次の問題に移ります。
これはもちろんできる子の方が勉強ができる、
つまり覚えるべきことをしっかり覚えているということもあります。
ですがそれ以上に大きいのは、
サッと考えて出てこなかったらそれはもう定着していないという事実を知っているということです。
実際、できる子は10秒考えても答えが出てこなかった場合は潔くその問題を捨てます。
「今回は出てこないな」
「サッと出てくるように復習しないとな」
と次回に向けての反省点・改善点と捉えることができます。
ではできない子はその逆なのかと言えば、その通りです。
どう考えても復習不足・覚えるべきことを覚えてこなかったような子に限って
「もう少し待って!もう少し考えたら出てくるかもしれないから!」
と目の前の一問に大してウンウン唸り続けます。
そして最終的には結局その問題の答えが出てこないばかりか
その一問に全時間を注ぎこんでしまって残りの問題は空欄です。
塾内でのテストや模試を見ていると本当にこんなことばかりです。
終了時間間際になってもやたら消しゴムが手元で動いているのは劣等生です。
もうとっくに解き終わって机の上の消しかすを一箇所に集めて掃除しているような優等生とは大違いです。
こういう子というのは、テストのみならず人生の全てにおいてこれをやっています。
普段の学校の授業でも、塾の授業でも、宿題でもテストでも全て
分からない問題を捨てることができずにいつまでも唸っているのです。
そうやって「あぁ疲れた」「今日も頑張ったな」と自己満足して勉強の時間が終わります。
挙げ句の果てには「ひらめきが足りなかった」「おりてこなかった」「運がなかった」とまで言い始める始末です。
ですがそれではその子は一歩も前に進むことができません。
もう断言してもよいと思いますが、ウンウン唸るのは全て無駄です。
ウンウン考えても頭からは何も出てきません。
せいぜい口から二酸化炭素が出てくるくらいです。
それならば、ウンウン唸らなくてもいいように答えや考え方は全て人に聞いてしまうことです。
その際は答えだけを聞くのではなく
どうやったら次からは唸らなくて済むのか、つまり解き方のポイントやコツを教わります。
そうやっていかに勉強から唸りをなくしていくかが結果を出す上での重要なポイントです。
ウンウン唸ることで「勉強しているんだ」と勘違いしてはいけません。
…筆者、透佳(スミカ)
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