これは主に公立中学校の定期テストで言えることですが、
同じ科目・同じ学年のテストは同じ先生が作ることが多いです。
例えば2023年4月に中学1年生になる生徒がいるとしたら、
2023年4月〜3月の中1英語テスト、24年4月〜3月の中2英語テスト、25年4月〜3月の中3テストは
作成者が同じになることが普通です。
対して、例えばVもぎなどの民間団体が行う外部模試は
同じ人が作り続けてしまうと問題の傾向が偏ってしまうので、
作成担当者は毎回社内でバラバラの人になることが通例です。
ただ、同じことを公立中学校でやろうとすると人手が足りません。
英語の先生なんて各学年せいぜい1人〜2人ですし、
他学年の先生に頼ろうにもその先生にはその先生の担当学年があります。
結果的に、同じ人が同じ学年のテストを作り続けることになるわけです。
その上学校の先生はただでさえ多忙です。
毎日の授業はもちろん放課後や休日には部活動があって、その上事務作業もあります。
テスト1つ作るのに何日もかけていたら、他の仕事が回らなくなってしまいます。
よって、学校のテストは「通常一人の先生が」「継続して」「短い時間で作りやすいものを」作るのが普通です。
その結果どうなるかといえば、その先生のクセがかなり濃く出るのです。
「偏るのは良くない」と分かっていても、現実には不可能です。
例えば、教科書の本文の穴埋め問題を毎回出す先生がいるとしましょう。
この先生は次のテストを作る際も、
この「本文穴埋め」という形式を出題することはもう決めた上で
教科書の中から「どの文章を出そうか」と考えている可能性が極めて高いです。
生徒にとっては、本文のなかでも「重要構文」として取り上げられている文章や
スペルを書くのが難しい単語が含まれている文章が狙い目になります。
また、教科書で特に取り上げられた文法の並び替え問題を毎回出す先生がいるとしましょう。
この先生は次のテストを作る際も、
この「文章並び替え」という形式を出題することはもう決めた上で
教科書やワークの中から「どの文が良いだろうか」と考えている可能性が極めて高いです。
生徒にとっては、教科書やワークで
「これは並び替えにすると少し大変だな」という文章を予想しておくと有利になります。
私は仕事柄、
「その公立中学校の定期テストの対策問題(プレテスト)」
の制作担当になったことが何度もあります。
この制作のためにまずやることは、実際にその先生が過去に作った問題を生徒から仕入れることです。
それと教科書のテスト範囲・ワークの問題を照合しながら、
「この先生だったらこういう方式で、こういう問題を出しそうだな」
と思考を先読みしてプレテストを作成するのです。
これで的中率が70%を下回ったことはないので、我ながら悪くない仕事だったと自負しています。
逆に言えば、中1の最初の前期中間テストは前例がないので一番対策がしづらくなりますが
その代わり登場する文法事項は中学3年間の中で一番簡単です(当たり前ですが)。
それ以降のテストは、実際の過去問をもう一度見直しながら
その先生の「次にも出しそうな問題」を意識して対策しておけば良いのです。
…筆者、透佳(スミカ)
コメント