これはもう結論から入ってしまいましょう。
睡眠時間を増やせば増やすほど成績も上がるとは限りませんが、
睡眠時間を減らせば減らすほど成績も同様に下がります。
何年も英語指導にあたってきましたが、これにはもう本当に例外がありません。
小学生から大学生まで教えたことがありますが、
最近は大学生のみならず小学生の中にも昼間眠そうにしている生徒が多くて驚かされます。
ここでは「成績=テストの点数」だとして、
なぜ睡眠時間を削るとテストの点数が下がるのでしょうか。
それは削った分だけ脳の記憶力が下がるからです。
より厳密に言えば、記憶するための時間が失われてしまうからです。
英語で言えば英単語や熟語のような「暗記モノ」が最も頭に刻まれるのは、寝ている間です。
寝ている間に、頭が脳内の記憶の整理作業をしてくれるのです。
ここで睡眠を取らずに勉強をしてしまうとどうなるか。
まず、記憶力が落ちるのは先述の通りです。
そして集中力が落ちます。
勉強との戦いに加えて眠気との戦いが加わるので、その分勉強への集中度は下がります。
さらに体力も落ちます。
寝ている間に回復するのに、それをすっ飛ばすことでその機会を逃します。
そして謎の自信が芽生えます。
「オレは夜通し勉強したから絶対に大丈夫」と言い出すのです。
実はこれが一番の強敵です。
実際のパフォーマンスは下がるのに、自らの期待値は上がるのです。
結果が出ないことによる精神的ショックが普段以上に大きくなります。
それらを取り返そうとして、ますます睡眠時間を削るようになります。
こうしてどんどんと負のスパイラルに入っていくのです。
今までこのような生徒を見てきたのは一度や二度ではありません。
こういう生徒に限ってエナジードリンクにハマってしまうのも特徴です。
その上で面談では
「最近、あの子夜遅くまで頑張っているんですが…」
という話になってしまうのです。
頑張っているから結果が出ないのではありません。
頑張りすぎているから結果が出ないのです。
それを最も端的に表すのが、睡眠時間なのです。
こういう話をすると、
「そうはいっても寝ている時間がありません!」
と言う人が必ず登場します。
こういう人は、日中の活動から余った時間が睡眠時間になると思っています。
発想が逆です。
まず睡眠時間が最初にあって、余った時間で日中行動するのです。
こう考えれば、睡眠時間が足りなくなることは絶対にありません。
睡眠を第一優先として考えればいいのです。
「でもそうすると、勉強時間が足りなくなってしまうのでは?」という心配は不要です。
1日24時間で、仮に毎日8時間寝たとしましょう。
残り16時間で、4時間は食事やお手洗い・お風呂等に費やすと考えてみましょう。
1日12時間を使えることになります。
1日12時間も勉強することを習慣にしてそれでも結果が出ないということは、
努力の方向性が根本的に間違っているということです。
結果が出ないのは、勉強時間が足りないからではありません。
その勉強の中身が間違っているからです。
そんな時間をいくら増やしても逆効果です。
確かに勉強は闇雲な努力だけでもある程度どうにかなりますが、
それだけで切り抜けるには勉強はあまりにも長期戦すぎます。
時間ありきで考えるのではなく、効果ありきで考えることです。
まずは、決まった時間を寝るように努めるのが最初の勉強です。
…筆者、透佳(スミカ)
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