「留学経験を活かした仕事に就きたい」という留学生は多いです。
会社の募集要項や業務内容紹介などに、「留学経験が活かせる」の文言を載せる企業も増えてきました。
ですが実は、「留学経験を活かす」という言葉はかなり抽象的です。
範囲が広すぎて、具体的に留学経験の何を活かすのかは明記されていません。
留学生としては、ここを明確にしておくことです。
というのも、留学経験が「ダイレクトに」活かせる仕事はこの世に数える程しかないからです。
職業名に「留学」という名前がつくものは、それこそ留学カウンセラーや留学斡旋業者くらいしかありません。
「留学」という世界でメシを食べていくのは、実はかなり狭き門です。
留学生の数が年々微増していっているとはいえ、それ以上の数の元留学生がそれらの職業を希望したら競争率はどんどん激化します。
換言すれば、留学経験を活かすからといって「留学」と名のついた仕事を探す必要はないのです。
否、むしろ一見海外留学の海の字もなさそうな業種・業界の方が留学経験は活きます。
このご時世、「外国人・海外を相手に仕事をすることに1%も興味がない」という業種・業界は存在しません。
必ず、少なからずは「国内市場に加えて海外相手・外国人相手にもビジネスができたらなあ」と考えています。
ですが、英語が話せる人が今の社内にはいません。
もし話せたとしても、その内相手の外国人の文化や背景に気遣ったやり取りができる人となるとその数はもっと少なくなります。
そこで、元留学生の新卒社員の出番です。
英語が全くできない職場に留学生が就職すると、「英語ができるから」ということで英語関連の業務を全て任せてもらえるようになります。
英語という媒体を通じてその会社のフロントマンとして活動するのは、素晴らしい「海外留学経験を活かした仕事」です。
「でも、この会社はそういったことにあまり関心がありません!」という場合も大丈夫です。
関心がないなら作ればいいのです。
例えば、今どきホームページのない会社はほぼありません。
このホームページを英訳する・外国人向けのPRや広報活動に尽力するというのも、立派な選択肢の一つです。
これらを外注しようと思うと、毎月何十万円という単位で外注費がぶっ飛んでいきます。
それに比べれば、「ウチの社員で済ませられるのなら済ませよう」と考えるのは自然なことです。
畢竟、あなたが海外留学で学んだことを虚心坦懐に振り返った上で、「これは留学には関係ないぞ」という業種・業界が思い浮かんだら、それは大きなチャンスだということです。
…筆者、透佳(スミカ)
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