導入部に細心の注意を払う。
読み手の存在を意識した上で、読み手の基準に沿った文章を書く。
構成を最初に組んだ上で、論理的・多角的な視点から書く。
今までこのチャプターで述べてきた内容ですが、一つの共通点があります。
日本の学校教育ではここまで教えていないという点です。
もちろん、入試で小論文を経験したことがある方や
作文コンクールの類を受賞してきたような方は別です。
ですが、日本の学校教育はライティングができなくても苦労しないようになっています。
「作文が下手だから留年」ということは絶対にありません。
先程も少し触れましたが、「下手だけど下手なりに書いたからはい努力点」と最低限の評価がもらえるのが日本です。
極端な話、どんな稚拙な内容でも文字数を満たして提出さえしてしまえば0点にはなりません。
これで作文が得意になるわけがありません。
大学の論文も文献を切り貼りして他の文章は全てテンプレートを使って肝心の自分の考えはほぼ書かない…というのは海外から見れば信じられない行為です。
このテンションで「ちょっと英語ができるようになりたいから海外留学しよう」というのが、最もよくありがちな挫折する留学生です。
海外留学で一番大変なのは英会話ではありません。
大量の活字の読み書きです。
しかも英語です。
もちろん、英語力も問われます。
ですがライティング、というよりは日本語での作文力がモロに露呈するのです。
日本語ですら作文ができない人は、第二言語の英語でも絶対に書けません。
私の知る限り、作文が苦手な人は大きく分けて以下3タイプ存在します。
- 学校の「国語」の評価が低い(苦手)
- 学校の授業以外で活字の本を読まない
- 文章の正しい書き方を知らない・ちゃんと勉強したことも教えられたこともない
この3つを全てコンプリートしていた同級生も私の周囲に複数いました。
つまるところ、国語力です。
国語力がないと、絶対に海外留学についていくことができません。
上の①は、「もう遅いよ」という方もいるでしょう。
③については、既にこれまでの中で多くを書いてきたつもりです。
残るは②です。
常日頃から活字の文章に触れておくことが、国語力向上の助けになります。
大人が子供に向かって、異口同音に「本を読め」と言う理由は簡単です。
そうしないとバカに育つことを知っているからです。
幸いなことに、あなたは今この文章を読んでいます。
この本をきっかけに、「これいいな」と思った本を少しずつ読んでみましょう。
…筆者、透佳(スミカ)
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