英語講師の関正生先生は、英語を勉強する上での心得の一つをこう挙げています。
『「あった方がいい」という分野は一旦無視すること』
これはまさに的を射ています。
「あった方がいい」を集めると、英語の場合は究極「ネイティブと同等レベルが理想」になってしまいます。
そこにたどり着くまでに何十年かかるのか分かりません。
海外留学は、英語を使って何かを学ぶ・体験する場です。
つまりは、学ぶ・体験するために最低限実用に耐える英語レベルなら問題ないのです。
もちろん「こればかりはないとどうしようもない」という初歩はあります。
スピーキングであれば、先述のリスニング力や結論から話すことがそれにあたります。
発音は、その次です。
例えばソフトバンクの孫正義社長など、「日本人が英語でスピーチをしている動画」を見たことがあるでしょうか。
一度聞いてみると分かりますが、彼ら・彼女らは思いっきり日本語なまりの英語で堂々と世界相手にスピーチをしています。
「本当にこの程度の発音で大丈夫なの」
「偉い人だから我慢してくれるだけなんじゃないの」と思うかもしれません。
ミシシッピにいた頃に全く同じことを思った私は、これをとあるクラスのプレゼンの題材にしました。
「この日本人の英語、皆さん聴き取れますか」と現地の学生に問いかけました。
「別に全く問題ない」というのがネイティブの学生の返答でした。
ミシシッピでこれでした。
グレイトな発音でなくとも、グッドであれば世界でも十分に通用するのです。
グッドな発音を練習・習得するための方法は一つだけです。
それは発音記号を読めるようにしておくことです。
私がそれに気付いたのは遅ればせながらハワイにいた頃でしたが、発音記号は極めて便利です。
文字通り、その通りに読むだけで自然に・勝手にグッドな発音になります。
「発音記号を勉強するのが面倒くさいな」というのは一旦却下です。
今からフォニックスをやったり音声学まで掘り下げて勉強したりするのは、もっと大変です。
それに比べて、発音記号は人によっては学生の受験英語の頃から馴染みがあります。
その記憶を取り戻すか、またはイチから習得すれば、発音は十分です。
発音記号はそれだけおトクな、リターンの大きい分野なのです。
…筆者、透佳(スミカ)
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