ここで一つ、日本人の英語学習者が陥りがちなケースを紹介します。
スピーキングを伸ばすために、「フレーズ集」ばかりを勉強するのは間違いです。
もちろんそれらも大事です。
自分の伝えたいことが伝えられることがスピーキングの初歩だからです。
ですが、会話というものは一方通行ではありません。
一方通行なのは最初の一球目だけです。
それ以降は、相手の反応や返答に応じて「相手の球を取り、次に投げる球を考える」必要があるのが会話です。
これは日本語だろうが英語だろうが変わりません。
この点を見落としている人があまりにも多いのです。
最初の一球目は、フレーズを暗記してキレイに言えるようにしておいて、それを「この場面だ!」という時に口にするだけです。
ですが、こちらからボールを投げた以上は必ず向こうから反応があります。
その上でボールを投げ返してきます。
そのボールをまた受け取って、また投げ返すのがコミュニケーションです。
受け取れないと、コミュニケーションにならないのです。
「How are you?」と言うことは、誰でもできます。
それに対して、「I’m sure! And you?」と相手が返してきたとします。
その「And you?」を正しく聴き取った上で、例えば「I’m great. Thanks.」と返す必要があります。
「And you?」が聴き取れなかったら、コミュニケーションになりません。
つまり、英会話はリスニングが命ということです。
これは海外留学でも全く同じです。
自分から話す分には、いくらでも言葉を噛み砕くことができます。
ですが、現地の学生や講師・住民は「噛み砕いて…」なんてことは基本考えません。
現地の人と話すのと同じような調子でこちらにも話してきます。
こちらからわざわざ留学しているので、当たり前の話です。
現地の人が言ったことをスムーズに聴き取れないと、こちらからの返答の内容が組めなくなります。
つまりコミュニケーションはできないということです。
「リスニングができないと会話にならない」ということを意識して、今日から学習しましょう。
…筆者、透佳(スミカ)
コメント