「集団塾への入塾相談のときに『生徒は何人いますか?』って聞くのはタブーですか?」
自分が実際に入る可能性のあるクラスの人数はもちろん聞くべきだし、この質問をして嫌な顔をしたりはぐらかしたりする塾は避けた方がいい。
だが、「『全員で』何人いますか?」というのは正真正銘のタブーである。
【追伸】
自分たちに直接関係のある情報なら聞いて然るべきだろう。
集団塾の講師として本音を申し上げると、
一人増えたところで生徒一人一人へ提供する授業の質が大きく変わることはない。
当たり前だが、集団授業の塾講師は集団に教えるための授業準備をしている。
例えば配るプリントやテストをその人数分多く刷る必要はあるだろうが、
授業の大まかな流れや説明内容が人数によって変わることはない。
だけどもちろん、
「少ないなら少ない方がいいよね」
「でも少なすぎず、多すぎすの人数がいいよね」
ということを親子共に考える気持ちもよく分かる。
(特に初めての集団塾である場合なら尚更だ)
そんな不安を解消するために、「自分が入るであろうクラス」の人数を聞くぐらいはタブーでもなんでもないと思う。
だが、絶対にしてはいけないのは
「『全体で』何人いますか?」
という質問だ。
流石の私もこれは適当にはぐらかした上で帰ってもらうことにしている。
全体の人数が分かるということは、その塾一店舗での売り上げが分かるということだ。
(一人当たりの費用はホームページに完璧に掲載されている)
普通の人・普通に通う分には、自分が通う塾の売り上げなどどうでもいいだろう。
せいぜい、「自分が通っている間に潰れたりしないでね」という程度だ。
つまり普通の人はこの質問をする意味がない。
結論を言うと、この質問をすると競合他社のスパイか調査であることを疑われる。
競合の塾からすれば、
「あの塾は何人生徒を抱えていて、売り上げはどれくらいか」
というのは一番知りたい情報だからだ。
かくいう私も、「周りの塾には全く興味がありません」と言ったらウソである。
とはいえ、例えば売り上げのような会社としてのある種極秘情報を
「無料体験」「無料説明」として来たその席でタダで教えてもらえると思っている
と思っているその感性が危ないのだ。
あなたは他人に面と向かって、
「あの、年収いくらっすか?」
とか聞くだろうか。
それを「恥ずかしい」と思えない人とは関わりたくないというだけの話だ。
塾としても、そういう親御さんと関わると入塾後面倒なクレームが増えるから
なるべく気分を害さないようにして気持ちよくお帰りいただく、というのが本音である。
…筆者、透佳(スミカ)
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