Entrance Exams: 制限時間は気にしない。気にするのはまず解けるようになってから。

努力なんていらない。塾講師が教える最短で最高の結果を出す方法

当たり前ですが、入試には制限時間というものがあります。

50分なら50分、60分なら60分以内で一通り回答をし終えなければなりません。

もちろん、最終的にはこの一定時間内で解ききれるように訓練する必要があります。

ですが、特に過去問に触れたての時期は制限時間を意識してはいけません。

時間なんて一切気にせずに、自分の現在持てる力を全てぶつけるのが先です。

これは長文読解で例えれば一番分かりやすいでしょう。

もちろん最終的には速読が必要です。

ですが速読をするためには、まずその文章を完璧に読み取れるようになる必要があります。

つまり精読です。

ここで決して少なくない生徒は

「速読は速読であり、精読は精読である」と分けて考えています。

実は違います。

まずは精読という段階があって、その上に速読があるのです。

精読できていないのに目だけ早く動かして速読しようとしているのは、「読」ができていません。

それは「速」だけです。

まずは文章を確実に解釈できるようになる(=読めるようになること)が最初です。

どんな文章でも一通り読めるようになったら、そこで初めてタイマーを使うのです。

時間を意識して読むのはここが最初です。

私は仕事柄、

「長文を速く正確に読むためにはどうすればいいですか?」

という質問をよく受けます。

私の答えは、とある作家の受け売りです。

ゆっくり読めば、速く読める」が答えです。

まずはゆっくり、その文章を噛み締めます。

噛み砕けない単語や文法があったら、調べたり人に聞いたりして解決します。

そうしてまずは文章を自力で消化できるようにするのです。

その上で場数を重ねます。

正しい段階を刻んで精読を重ねていくと、スピードは必ず速くなります。

小学校の国語の授業を思い出してみてください。

1年生の頃には「スイミー」を読み切るのにあれだけ時間がかかっていたのが、

卒業する頃には一通りの文章をサラッと読みこなすことができているはずです。

あれと同じです。

きっちり読んだ上で場数を踏めば、心配しなくてもスピードは上がります。

なんのことはない、速読とは「スピードの上がった精読」のことだったのです。

これは長文読解のみならず、全てにおいて同じことが言えます。

文法問題でやたら時間がかかるのは、それを正確に解くのに慣れていないからです。

単語問題でやたら時間がかかるのは、それを正確に解くのに慣れていないからです。

リスニングでやたら時間がかかるのは、正確に聴き取るのに慣れていないからです。

それらの動作が正確にできるようになれば、スピードは後から必ずついてきます。

その段階になって、「これでもまだ時間が足りないぞ」となったら、ようやくテクニックの出番です。

ですが私を知る限り、読解に「テクニック」を要する生徒はほとんどいません。

大切なのはやはり「正確さ」×「場数」なのです。

 

…筆者、透佳(スミカ)

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